『Ong-Bak 2 (2008)』

DVDジャケット。

 
 時は昔、王宮内の権力闘争の醜さから山奥の村に預けられて育つTiang(Tony Jaa)だったが、ある日村は襲撃され目の前で両親を惨殺されてしまう。何とか武官が囮になる事で辛くも窮地を脱したTiangではあったが奴隷商の一族に捕まってしまう。反抗的な態度に見世物として全身に血を浴びせかけられた上で鰐のいる池に投げ込まれるのだが、謎の男達によって助けられ、彼らの村で暮らす事となる。彼らの村は盗賊団で様々な武術の使い手達がおり、彼らに教えを受ける事でTiangは武術の達人になると、彼は両親の復習の為に旅立つのだが…
 
 初期段階では『Sword』と呼ばれていて『Ong Bak (2003)』、『Tom Yum Goon (2005)』に続くPrachya Pinkaew監督とのコンビ第三作となる筈も監督と意見の対立やら何やらでトニージャー自身が初監督、ってなった本作、一旦仕切り直しての製作になったものの色々と製作方面、特に資金面でのゴタゴタが続いて一時期は公開どころか完成すら危ぶまれた作品でございまして当初は2007年くらいに公開予定の筈がちっともその後が出て来ないのでウッカリ忘れておりましたがどうやら無事に公開、ヒットもしたようで随分と待たされましたがやっとこさDVD化されたのでeThaiCDで購入をしたんですけども… まぁ何よりもまず、この予告編を観て下さいな!
 
 
 
 これ観て『Ong Bak (2003)』『Tom Yum Goon (2005)』が好きだった人なら燃えるでしょうが!
 
 
 
 …っと、まぁ手放しで褒めたいトコなんですが感想としては一言、
「あそこで終わらすなこん畜生ぅ!」
 本作品、これだけで完結してないんですよ。
Kill Bill』とか『MATRIX』『Pirate of Caribbean』の2と3とか、前後編で言えば前編にあたる部分だけなんですよ。盛り上げるだけ盛り上げてのええええこれからどうなるんだよぉ!ってトコでエンドロール、の前に入るカットで題名にもなっているのに今回全く出て来なかった仏像の首(Ong-Bak)とトニー・ジャーってので終わられたらそりゃぁもぅねぇ… だって続編の、完結編のアナウンス、現時点では出てないのよ?(涙) そりゃぁねぇべよ… と身悶えしたくなるくらいに、この作品は初監督作品ながらよくまとまってていいんですよ。コントラストを強調しつつもデティールが潰れていないシャープな画面、奇を衒わないけれどもチキンと見せてくれる構図、衣装や小道具等の美術もいいしロケーションもいいし。確かに途中ストーリー説明でもたつく部分はあるんですけども脚本自体は貴種流離譚活劇として王道だし絵面としても登場人物のキャラ立ちが出来ている点といい、『Chocolate (2008)』』*1よりもずっと映画としての出来が良かっただけにこの生殺し状態ってのはホント、簡便して欲しかったですわ… 
 
 
 
 …って事で、以下はこの映画のDVDについての情報なので興味のある人だけ
 

 
・『Ong-Bak 2 (2008)(Collector's Edition)』(PAL) - Region 3
 Studio: mongkolfilm
 Theatrical Release: 4 December 2008
 DVD Release date: 25 March 2009
 Runtime: 93 min 
 
 Screenformat: Anamorphic widescreen - 16:9
 
 Language : Thai (5.1 Doliby Digtal Surround, 2.0 Stereo)
 
 Subtitle : None
 
 Special Features:
 ・Photo Gallery
 ・Ong-Bak 2 T-Shirt
 ・Postcards

 

 
 え〜、私がオーダーしたのはTシャツとポストカード付って版でしたが、まさかビニール袋のTシャツにDVDがくるまれて来るたぁ思いませんでしたが、Tシャツのサイズが「S」って時点で更に笑ってしまいましたな。普通、こういうのってフリーじゃないのぉ!? タイ人、みんな小柄ってワケでもないっしょ〜 182cmで鳩胸の私は当然着れません(笑)ので、普通の人は本編ディスクのみ版の方で良いでしょう。
 
 さて、画質音質はノー問題。
どちらもクリアで美麗だと思います。PAL版ならではの発色の良さ、ってのもあるのかもしれませんが、非常ぅに綺麗で堪能させてもらいましたな…
 
 特典はどうも劇場予告編とスチル数枚、ってのが寂しいんですが実質千円程度でこれだけ楽しめたんだからまぁ文句もありませんって。ただホント、完結しているか、せめて完結編製作開始のアナウンスがあればオススメしたいんですけども、現時点ではちょっと… 確かに様々な武器を使ってのアクションなど見所も多いんですが、やはり作品はキチンと完結してのもの、って私は思うんですよ。そりゃまぁ無理に風呂敷を畳もうとして失敗する事もありますが、やはり作品としては完結してオチなりサゲなりがついて、って思ってしまうんで今の時点ではオススメはしませんが、興味のある方なら値段も安価ですし購入されるのもいいんではないかな?って気はします。
 
 あぁしかし、続きやってくんないかなぁ…
 

*1:そういやぁ『チョコレート・ファイター』って邦題で日本でも上映されるそうですが… 私はオススメしませんね。