花は花。

 
 
 
 干潟をはじめとする大規模な自然環境破壊の上に行われた万博への世間体と言うか言い訳の為か、開催前に名古屋市内のあちらこちらに花を植えたりしていたものだが精々月に一度程度の手入れがあるか無いか、というぐらいで誰かが水をやるでもなし花があってもそこにゴミを不法投棄をする輩や反吐つく阿呆がいなくなるでなし。出勤途中の道すがらにそんな遠目には綺麗な色に見える花も近くに見てみるといささか可哀相な事になっているのを知る事にもなりて。
 
 とはいえ、花は花、である。
 
 誰かの為に咲いたのではなく、ただ花として咲き、枯れる。確かに手をかけられ… 肥料をもらい、雑草を摘み、虫を除け、そして水を充分に与えられた花と比べれば大きさも色合いも劣るものかもしれないが、花は花、である。そこに何を思うのかはその人それぞれによるものであって花は花でしかない。そこに空き缶や吸殻が突っ込まれていようとも、花は咲く。そして枯れる。また次の機会に咲けるのやも知れぬし、それ以前に何の結果も出ないうちに企画だ、事業だという名目で廃棄されるやもしれぬ。ただ咲く事もならず雑草に負けるのやもしれぬ。しかし、今は咲いている。ただ、そこに咲いている。