『30 Days of Night (2007)』(メモ)

 
年に一度、三十日間も太陽の昇らない冬を迎えるアラスカの最北の町バロウ。漆黒と雪のこの時期は他の町との交通も遮断されてしまい、住人はこの時期を避けて他の町へと行く人と、ただただ太陽が再び昇るのを待つ人とに分れる。
 
 この町の保安官Eben(Josh Hartnett)、職場での人間関係や現在の「職」についての不満も悩みも無いかわりに充足、満足しているとも言えず、何とはなしに閉塞感と倦怠感に倦んでいて。妻Stella(Melissa George)との間も特にコレという問題も無いのだが話をする事も無くすれ違いな生活で。
 そして今年の三十日間の暗闇の最初の日を迎えようとしていたのだが、住人の犬橇用の犬が皆殺し
にされる事件が発生、Ebenは捜査あたるのだが…

 
 原作は2003年に第一作がリリースされて現在も新作がリリースされているグラフィックノベル『30 Days of Night』(Wikipedia - 30 Days of Night(別窓))。

30デイズ・ナイト (アナザー・パラダイムシリーズ)

30デイズ・ナイト (アナザー・パラダイムシリーズ)

 と日本版も出ているようですが私は未読であります。
ハード キャンディ (HARD CANDY (2005))』のDavid Slade監督作、ってのよりも個人的には限定条件でのサバイバルってのに魅力を感じたのと、ジョシュ・ハートネットの人気があるのか無いのかよく解らんけれどもソニー・ピクチャーズで全米一位獲得でホラーって事で最悪ビデオスルーは確実なんでしょうけど折角まだ寒さが残る頃にDVDがリリースされるんだから観ておこうかねぇ?ってなオーダーでしたが…
 
 なんっ〜か、サバイバルってより一幕物の舞台に近い印象と申しますか…
 
 …いやそれだと一幕物の芝居に対して失礼ですな。兎に角、日数の進行がサスペンスになってないっか時間経過の表現が雑なもんでもひとつノれんのですよ。要は追い詰められて篭城の筈なんだけど、その閉塞感が無いんですな。多分、原作のグラフィックノベルでならば気にならない事だと思うんですけども、コミックのコマでの「間」を実写でまんまやられているような感じで逼迫感に薄いように思えるんですけども。そこさえもうちょっと上手くやってくれたらいいと思うんですがそこがユルユルでは物語に説得力が無いと言うか… 闇の夜に現れる者達が人間よりもちょっと身体能力が高い程度でそのくせ意味の無い捕食体勢とか、もうちょっとそういう事の前に映画としてやる事があったように思うんですけども。と言うか、確かに娯楽作品としてはそこそこだとは思うんですけど、しかしこんなので全米1位を獲得出来たってのがちょっと信じられないんですけども…
 
 
 
 …って事で以下はこのDVDについての情報なので興味のある人だけ

 
・『30 Days of Night (2007)』 - Region 1
 
 Studio: Sony Pictures
 Theatrical Release Date: 19 October, 2007 (USA)
 DVD Release Date: February 26, 2008
 Run Time: 113 min
 
 Aspect Ratio: Widescreen - 2.40:1
 Available Subtitles: English, French, Spanish
 Available Audio Tracks:
 Dolby Digital 5.1 - English, French
 
 Special Featuers:
 ・Audio Commentary - Josh Hartnett, Melissa George, Rob Tapert (Producer)
 ・Feeaturettes (8)
  ・"Pre-Production" (8:27)
  ・"Building Barrow" (5:15)
  ・"The Look" (6:48)
  ・"Blood, Guts & the Nasty #@$&!" (7:24)
  ・"Stunts" (7:15)
  ・"The Vampire" (5:57)
  ・"Night SHoots" (6:00)
  ・"Casting" (9:05)  
 ・BLOOD+ Episode 1:First Kiss (20:38)
 ・Previews (14)
  ・Blu-ray Disc is High-Definition! ( :33)
  ・21 (2008)(2:34)
  ・Sleuth (2007)(1:59)
  ・Boogeyman2 (2007)(V)(1:40)
  ・RISE: Blood Hunter (:32)
  ・Zombie Strippers
  ・Black Water
  ・Resident Evil & Resident Evil: Apocalypse Deluxe Pack - DVD Release: September 4, 2007
  ・Across the Universe ( :33)
  ・Fearnet.com ( :47)
  ・The Grudge ( :33)
  ・The Grudge2 ( :18)
  ・The Messengers ( :33)
  ・The Tattooist (1:45)

 

 
 最近、意味の無い紙製のアウターケースがついているのがチラホラありますがコレもそう。そんなのを付けるぐらいだったらグレー一色のDVDレーベル面とかジャケとかにもっと凝ってもいいように思えるんですけども。
 画質は「そこそこ」。
元の映画がそうなんでしょうがやや鮮明さに欠ける印象があるんですが、そのくせマットペイントだかCG背景だかが浮いて見える感じがしまして。っかシーン単位でのデティールに結構バラつきがあるように感じたんですけども、まぁこれは元に由来してるだろう、って事で「そこそこ」。
 音質も「そこそこ」。
スタジオメインの撮影のせいかあんまり室内外での差異とか感じないレコーディングっか音響のように思えましたが、まぁこれも元がそうなんだから、って事で。
 音声解説は本編にノれなかったんで聴く気になれず未聴。
 
 んで、映像特典なんですが… これがいい加減でねぇ…
 
「Feeaturettes」と題された8章仕立てのメイキングは監督やスタッフらのビデオ日記、という感じで監督やスタッフ達が笑ったりダベってたり居眠りしてたり転んだりビックリしたり笑ったり撮影してたり、というもので原作への思い入れとか映像化に対するこだわりとかは一切語られないという実にどうでもいい代物ですな。まぁ映像特典分もギャラを払うのが嫌なんでしょうが、だったら脚本家なりもちっと「見せる」って事を意識したものでないと、さながらホームビデオの垂れ流しのようなのはいらないんですけども。
 
 そしてこのDVDの一番のウリっぽいのがUS版の英語吹替えの『BLOOD+』第一話丸々収録、なんでしょうけれども… 本編の原作がこれにインスパイアされたとか監督が参考にしたとかというワケでもない、ただ吸血鬼繋がりでこれからアメリカで放送される?ってだけで収録したんじゃねぇのコレ? アニメ好きならまぁ喜ぶのかもしれませんが既に放映済みでリピートでも観た事のあるのが収録されていてもねぇ…
 予告編集もリリースから1年以上経過してるようなブツまで詰め込んだ、いかにもな数合わせっかヤッツケ感アリアリなのといい、ソフトとしてはわざわざ買うような物ではないんじゃぁないんでしょうか。仮に日本版が出るとしてもこんなのはレンタルか中古とかで¥500程度でならば… この映画ならではの新味は特にありませんし… と思いますが、わざわざ新品で購入するような出来のソフトだとはとても思えませんな。