『青い沼の女+中・短篇集』

 レンタルで視聴。レンタルで良かったですわ。
 
収録作品はTVドラマの「青い沼の女 (1986)」、初映画監督作品で大島渚脚本の「宵闇せまれば (1969)」、ハイビジョンのプレゼンテーション用のイメージビデオ「春への憧れ」「東京幻夢」と、AVの「いじめて、ください。アリエッタ arietta (1989)」の撮影に使った舞台を実相寺監督が訪ねて思い出話をダラダラと語る「都電荒川線」、という構成になっていますが… ぶっちゃけ映画としての体裁になっているのは「宵闇せまれば」だけですが、これにしても【いつの時代も若者は閉塞感に倦んでいる】という要素以外は特に映画である必然性を感じない、芝居の舞台での方が合っているものですしねぇ… 「春への憧れ」「東京幻夢」は元々ハイビジョンソフトだからDVD化へのダウングレードで狙った意図や実際の画面のディティールが無くなっているんで散漫なイメージビデオにしかなってないんですよな。
 
 で、
 
思うんですけど実相寺監督ってあまり予算や製作日数やスタッフを揃えて贅沢にすると駄目な人なんじゃぁないかなぁ? 予算が無いからこそ光と影のコントラストの強調で埋めたりアングルに凝る事が出来たんではないかと。でも、それが実相寺だという世評っか評価の枠に自縄自縛になってしまってたんじゃぁないかと。また、確かに脚本も小説も遺していますが、あくまでも「映画を創る人」ではなく「映像を造る人」だったんじゃぁないのかなぁ… でも、引き出しはあんまり無かったんじゃぁないのかなぁ… 実相寺監督の不幸は、佐々木守以外に自分のイメージなりを整理し脚本化してくれる気持ちの通じる人がいなかった事ではないのかなぁ… っと思ったり思わなかったり。
まぁぶっちゃけ退屈でありました、っと。これなら私は「曼陀羅 (1971)」を観た方がずっと刺激的で尖っていていいと思いますわ、ハイ。