日本版はボッタクリ。

 
 元は『Unicorn Diary』でstudio_unicorn氏の記事で知った『ブレードランナー』製作25周年記念版、日本版も出るようなのだが…
 
 ・10,000セット限定生産 『ブレードランナー』製作25周年記念
  アルティメット・コレクターズ・エディション・プレミアム(5枚組)【DVD】:¥24,800(税込)
 ・【初回限定生産】 『ブレードランナー』製作25周年記念
  アルティメット・コレクターズ・エディション(5枚組)【DVD】:¥14,800(税込)
 ・『ブレードランナー ファイナル・カット』製作25周年記念エディション【HD DVD】:¥4,980(税込)
 ・『ブレードランナー ファイナル・カット』製作25周年記念エディション【BD】:¥4,980(税込)

 
 …って価格設定と売り方に、これが日本版ボッタクリ商法として見慣れてはいるにしても久々にこれだけアコギなのも珍しいので見ているウチに腹が立ってきて。因みにUS版では
 
 ・『Blade Runner: Five-Disc Ultimate Edition (DVD)』:$99.98
 ・『Blade Runner: Five-Disc Ultimate Edition (Blu-ray)』:$99.98
 ・『Blade Runner: Five-Disc Ultimate Edition (HD DVD)』:$99.98

 
 と、アタッシューケース入りの版がそれぞれのメディアで出て、
 
 ・『Blade Runner (Five-Disc Ultimate Collector's Edition) (DVD)』:$78.92
 ・『Blade Runner The Complete Collector's Edition (Blu-ray)』:$39.99
 ・『Blade Runner The Complete Collector's Edition (HD DVD)』:$39.99
 ・『Blade Runner The Final Cut: Two-Disc Special Edition (DVD)』:$20.97
 ・『Blade Runner Four-Disc Collector's Edition (DVD)』:$34.99

 
 っと、ユーザーが欲しい版で購入すればいいようになってるんですな。内容としては
 
 Disc 1 - Ridley Scott's All-New "Final Cut" Version
 Disc 2 - Documentary
 Disc 3 - 1982 Theatrical Version, 1982 International Version, 1992 Director's Cut Version
 Disc 4 - BONUS Disc "Enhancement Archive"
 Disc 5 - Workprint Version(1982年の劇場公開前のリサーチ試写に使用された版)

 
 ってなっていまして、2 Disc Editionが「Discs 1、2」。4 Disc EditionがDiscs「1〜4」、5 Disc Editionが「Discs 1〜5」となっているので今回のファイナルカット版だけ観たい人には2 Disc Editionだけで充分だし、余程の人でなければ4 Disc Editionで充分でしょ? 5枚組がやや高いのはアウターケースにブックレット、そしてディスク1枚追加分って事だからでしょうが、これが日本になるとDVDユーザーは否が応でも5枚組を買うしかないわ、日本版のBlu-rayHD-DVDユーザーはUS版5枚組の値段を払って2 Disc Editionを購入するしか無い、って商売って汚くねぇ? 確かにSF映画の中では後に与えた影響も未だにある作品ですが、海外が基本的には購入するユーザーの為の便宜を図っているのに対して日本ではユーザーから搾取する事しか考えてねぇのかね? 記憶違いだったら申し訳無いがBlu-rayHD-DVDソフトは現時点ではリージョン設定はしてないんだよね? だったらわざわざ日本版を購入する必要なんてあるの? あ、だからそれぞれのFive-Disc Ultimate Edition版はわざわざ出さないって事かね?
 
 …ってのもまだ甘かったのが『Warner Directors Series - Stanley Kubrick』の日本版で、定価¥19,900(税込)という値段はディスク10枚組って点では非常に嫌らしい価格設定なんだけど卑劣なのが収録作品の単品販売は無し、一部に英語音声のみで字幕無しの特典、第二音声が何故かポルトガル語、というファン泣かせのボッタクリ仕様ってのに比べると、アメリカでは普通に
 
 ・『2001 - A Space Odyssey (Two-Disc Special Edition)』: $26.98
 ・『A Clockwork Orange (Two-Disc Special Edition)』: $26.98
 ・『The Shining (Two-Disc Special Edition)』: $20.98
 ・『Full Metal Jacket (Deluxe Edition) (1987)』: $28.99
 ・『Eyes Wide Shut (Two-Disc Special Edition)』: $26.98
 ・『Stanley Kubrick: A Life in Pictures』: $19.98

 
 …っと、全部単品販売もされるんですけども。
今回のリマスター版、単品発売されるBlu-ray版、HD-DVD版に合わせてのリマスター化って事で興味はあるんですが、オリジナル画面が4:3スタンダードサイズな作品も全部まとめて16:9 LB・ビスタサイズスクイーズにしたのが気になっていた*1のと既にキューブリック作品は『ロリータ (1961)』以降は既に日本版DVDを所有している上にボックス買いってのも… っと思って迷ってたんですが定価で$79.98、Amazon.com価格で予約したなら$55.99って事で3作品をバラ購入するよかこのボックス版の方が安いんでUS版の購入決定〜。日本語字幕が無いようだけどもぅ何度も観た作品ばかりだし多少邪魔だけど日本版を持っていれば済む話だし。
 
 2万って金が惜しいんじゃぁないんですよ。そりゃまぁ安いに越したこたぁねぇケド、日本語字幕を作成した人への対価って考えれば… とか、思わないでもないんですが、それにしたってユーザーがオリジナル版の倍の価格を払っているからと言って字幕翻訳者がそれで潤った、翻訳の質が向上した、なんて話はサッパリ聞いた事が無い上に未だUS版よりも若干落ちる画質ってのも引っ掛かってるんですが、それよりもまず、こんなボッタクリ商品を購入するって事は日本のDVD商売の現状を認めるって事になるじゃぁないですか。私はそんなのは嫌なんです。買う人は買うんです。だけど、商品をちゃんと買う人を馬鹿にしまくり、搾取する事しか考えていないメーカーのこんなやり方を認めるなんて冗談じゃぁねぇよ…
 
「金にも収納スペースにも不自由していないし(笑)」「日本語字幕があった方がいい」「リージョンとか面倒」「海外からの個人輸入は面倒くさそう」とか、日本版を購入する人がどうこうってんじゃねぇんです。買いたいという人は買えばいいんです。でも、私はこんなこんなボッタクリ商品なんていらない。
 
 ましてWBの公式サイトによれば『2001: A Space Odyssey: Special Edition (Dbl DVD)』のRuntimeは149minsmins… 現行の新世紀特別版と同じで160minsのPremiere Cut版でもなく、『Shining, The: Special Edition (Dbl DVD)』のRuntimeは119mins… っと現在流通しているコンチネンタル・バージョンでしかなく、USA通常劇場公開版の143minsでもオリジナル版の146minでも無い、って事は特典くらいしか観るべきモノも無いようだからますます日本語字幕の必要なんて無いさね。*2
 
 確かに音声コメンタリーでの字幕が欲しいと思うけれども、あくまでも本編が綺麗な状態で観れる事が第一なんでUS版となりますし、それ以外の要素に私は特に重きを置いてないんでそうなると余計に価格の点でもUS版、ってなりまさぁな。『Batman (1989)(Two-Disc Special Edition)』ん時のようなイマイチなリマスター版を出すWBだけに、中身の品質が日本版で劣化こそすれ美化はしないってのも知ってるだけにあえて日本版なんか買いませんっての、ましてジャケも適当なボッタクリ商品なんぞ買いますかいな阿呆らしい…
 

*1:『The Shining』のオリジナルレートは1:1.85だがこれまでのDVDだとFull Screen、って事は今回のLB化は単純な拡大&上下カットなのか?

*2:ただWB公式の情報が誤表記だったら私はとても嬉しいんですけどね… 特典部分の表記が全くなされていない、ってのも含めて若干の期待はしているんですが、はてさて実物はどうなんでしょうね?