妻へのプレゼント。

 
 田舎に住む、という事は多少の物価の恩恵は受けても情報、物流、そして何よりも娯楽からも遠く離れる事で。情報はインターネット、物流はトラックドライバー等の過酷な労働によって子供の頃を思えばまさに隔世の感ではあるがこと娯楽に関しては田舎は絶望的であり、それが音楽や芝居よりもずっと小さい規模でも何とかなる筈の落語ですらチケットぴあで検索してみた結果は「関東・全54件」「関西・全19件」「東海・全7件」って有様で、なるべく生で観たいと思いつつも高望みで。結局、これも田舎だから… としか言い様が無いんだが、地元大垣で三遊亭楽太郎落語会なるものがホテルで行われるのを知って全然好みの噺家さんではないが一応調べてみたら【お一人様 13,000円(寄席懐石・ドリンク・サービス料・税金含む)】ってディナーショー形式… 足元ナメられまくりですよな。でも、金額も含めてそういう付加価値が無いと客が来ないってのも事実なんだろうて。それでもまだ大垣ならば大阪の繁昌亭まで3時間ちょっと在来線に揺られれば行けれる事を思うとまだマシとは思うけれども、ね…
 
 仕方が無いのでTVで補おうとするも、今日BSで放送されていた『BSふれあいステージ「お好み寄席」・爆笑!大喜利!▽花の落語家六人衆』という番組は本当に酷くて、システムとしてではなく落語家にギミックを与えたキャラ、ギミックまでも『笑点』のパクリってだけでもかなりゲンナリさせられたのに、最後の一席「饅頭こわい」がちょっと記憶にないくらいに乱暴で、ナメた出来のものですっかり嫌な気分になって。
「田舎の爺さん・婆さんにはこの程度で充分」
 ってのが見え見えで、端折り方も雑なら人物も雑、所作に腕の片鱗が見えるだけに余計にその割り切り方が厭らしく… こういう落語家さんが嫌で落語を敬遠していた時期もあったんだが、このところ『らくごくら』でいい噺家さん達を見ていてスッカリ安心しきっていただけに妻共々どんよりとした気分になって…
 
 
 
 って事で、
ちょっとスケジュール的にも予算的にも厳しいんだけど、チケット代とホテル代を私持ちっか妻へのお誕生日プレゼント!と来月大阪の繁昌亭で行われる林家染二氏のプレ独演会のチケットを予約する事にした。
「移動と食事代は自分持ちね(はぁと)」
 というのはやや情けないが、身の丈を超える事をして生活が苦しくなったってしょうが無いワケで。それでもディナーショーもどき二人分を出すよりも自分達が好きな噺家さんを観れる方がやっぱり幸せではないか。その時の喜びを共に味わえて、後も思い返して語りあえれるんだから…
 
 
 
 
 
 
 
 …ま、
既にアマゾンにお誕生日プレゼントも予約してあって、お誕生日祝いお食事会や10月の妻の実家への旅行や車の点検とかもぅカツカツで涙目ではありますが。