「大阪旅行記の没分ネタ」・その2

 
 私が初めて身銭を切って行った演芸場は大須演芸場で。
今思い出しても腸が煮え繰り返ると言うか、このせいで寄席に対してアレルギーにも
似た反応を抱く事となったのだが…
 
 今からザッと15年以上前の事。
当時地元スーパーのトラックに乗ってあっちの店舗へこっちの支店に、なんてやってた
んですが、オンボロトラックの運転の気休めはAMラジオだけで仕方なく退屈な昼間の
番組を聴いていたんですが、そんなある日の番組に大須演芸場のオーナーが出て
大須演芸場の芸人はつまらん、面白くないと言われるけれどお金を払って観たお客
さんが言うならまだしも観に来てないヤツにまで言われるのは我慢ならん」
 って事を言っていて、自分のやってる事を棚に上げといて挑発的な言い方やなぁ…
だったら観させていただこうやないけ… っと休日に行ってみたんですよ。
 
 これがねぇ… ホント、酷かった。
 
 お客が数えで5人程度、ってのもさる事ながら誰もちゃんと観ようとしていない、って
中に普段見慣れない大男がいて一応は芸を観に来たって姿勢なのが芸人さん達の
気に障ったのか、ずっとこっちに向けてネタをやるか、逆に私だけ無視するか、ってな
両極端でやるんだけど、どれも致死的につまらない。致命的じゃないのよ、こっちが首
くくりたくなるくらいにつまらない。それを必死に逼迫して私に向けてずっとやられたら
こっちだって喧嘩腰にもなってきて、その間にもどんどん他のお客は帰っちゃって最後
まで観てったのは私一人…
 
 ストリップで私一人ってのはたまにあったけど、劇場の人やネェサン達とダラダラと話
をしたりビール飲んだりしてたりしてそれはそれで楽しんだんですが、多分当人達すら
面白いとは思っていない、面白いのかどうかよく解らない事を必死にやられたってね…
 炭火のような怒りを抱いて劇場を出た時、ランニングと短パン姿のオーナーが
「よかったらまた来てな」
 と言ったのに反射的に殴ってやろうかと思ったくらいでねぇ…
 
 
 
 ま、そんな大須演芸場はまだ存続していて、芸人さんも入れ替わったりしているんで
興味が全く無い訳ではないんですがオーナーが当時と一緒、ってのでは行く気には
なれませんよ… あれは、別に演芸なりお笑いが好きな人じゃないもの。そういう地位
や肩書きが好きなだけで、地方文化人として扱ってもらえるからってのが見え見えだ
もんなぁ… あぁ思い出しても胸糞が悪いわ。