『Hot Fuzz (2007)』雑感。

 
 昨日、到着したのでこの忙しかった一週間へのりかばりーを込めて昨夜
鑑賞。確かに面白く、また前作『Shaun of the dead』と比べると予算も増え
た以上に元々の色彩感覚とカット構成の上手さに繋ぎ方がベラボウに進歩し
まさに映画ならではの手間と人材と情熱に満ちた豪華さには満足をし笑った
のだが… 個人的にはパロディ元の1つである『BAD BOYS II BAD』等を観て
いない、ってのも含めてもひとつ、どっちが好き?って言われたら間違い
無く『Shaun of the dead』と言ってるだろうなぁ… 映画としての完成度
から言えば間違い無く『Hot Fuzz』、なんですが、ミステリーの謎解き部分
での台詞の多さ(またそれがダブルミーニンングになったりギャグになって
いたりする)についていけなかったのもあるんですが、『Shaun〜』と比べ
ると物語の結構肝心な部分の抜けが多いんですよ。で、特典ディスクの削除
シーンを見るとほぼ全部が第二の殺人までの小ネタ集といった様相でそれを
観て得心する箇所って多かったんですよ… でも、それだけカットしていて
も2時間って本編に無駄が無い。本当に無い。呆れるくらいにミチミチに
ギチギチギリギリに無駄を排して成立しているのがよく解る。削除シーンを
入れると物語としてよくなってもテンポが落ちる、ってのも良く解るんです
けどそれだと抜けがある、ってのは凄く悩ましい… 普段私がレビューで
よく使う「惜しい」ってんじゃぁなくて、よく出来ているんだけどよく出来
ているからこそ抜けている、っとまぁ悩ましい出来でしての。
 
 とは言え、ギャグは相変わらず笑えたし何よりも画面が本当にいい。日本
人なんで、イギリスのド田舎でド派手な銃撃戦やカーアクションってギャグ
が多分、イギリス人やアメリカ人に比べるともひとつピンとこないってのは
ありましたが楽しかった一作ではありましたよ。ただ『Shaun of the dead』
ん時みたいに狂喜乱舞、隙あらばオススメ!とはちょっと出来ないなぁ…
って事で。