『The New Legend of Shaolin (1994)』 - Region All

 
 洪熙官は少林寺拳の最高の武術家だったが今は村で弟子と息子と共に平穏に暮らす日々だった。しかし朝廷が少林寺の弾圧を開始、その報を知り急遽旅先から戻る洪熙官であったが時既に遅し、兵の襲撃により弟子たちは皆殺しにされていた。たった一人、隠し部屋で生き残っていた息子と共に洪熙官は復讐を誓い、強大な敵に挑んでゆく…
 
 原題『洪熙官』、邦題『新・少林寺伝説』として日本でもリリースされた本作、李連傑主演で中国の武術界に君臨した実在の人物・武術家を題材にしたカンフーアクション映画と言うと『黄飛鴻』『方世玉』等、シリーズ化された作品もあるのに比べるともぅ出鱈目の度が過ぎると言うか、コロコロコミック的と言うかコミックボンボン的なヤンチャなアクション映画で、いい意味でも悪い意味でもサービス精神故に行き当たりばったりに破綻していく映画作りをしているバリー・ウォン監督作品ならではのいつかどこかで観たようなのが次々と出てきては引っ込んで展開していくお話のアクション映画でして…
 
 冒頭、主人公・洪熙官が村に戻ると時の朝廷によって村人は全員惨殺、唯一生き残っていた息子に「剣を取るか木馬を取るか」と『子連れ狼』まんまな選択をさせた後の格闘シーンで
「あぁこれはシリアスなんだろうなぁ… 」
 と油断させておいて、葬式詐欺の母子(何故か武術の達人)やら少林寺の秘宝の在り処を描いた地図を刺青させられた小僧さん達等、さして本編に必要も無ければそもそも整合性も無いお話がギャグになったかと思えばシリアスな人死になったりしながら洪熙官vsエルム街のフレディもどきとのクライマックスになるんですからまともに筋を追おうとか
「いや忍者はおかしいだろ…」
「何で子供に四分割の地図を刺青するんだよ!」
「どうして金持ちの狒々親父が少林寺に肩入れしてんの?」
「槍で貫けなくても高速回転を可能にする掌技での打撃ってのは無いのか?」
「っか師が! 師が!(笑)」
 と、いちいちツッコミを入れたりるだけ馬鹿を見ますんで、もぅあるがままにボーッっとヤンチャな出来事を眺めるしかありませんがな。
 そういう映画、として観るなら李連傑はカッコイイし息子役の子がなかなかに達者で悪くないし、兎に角観客を飽きさせないようにしている作品なんで悪くないかとは思います。商売として、ってんじゃなくてサービス精神故の無茶苦茶さですからね… ただそれが駄目な人には本当に合わない映画だと思いますけども私はギリギリ許容範囲、かなぁ… 最初の格闘シーンはホント、カッコ良かったですし、途中で多分『Swordman II』のパロディと思しき場面とかも見られましたし、ね。
 
 
 
 さて、
以下はこのDVDソフトについての情報、なので興味のある方だけ

 
・『The New Legend of Shaolin (1994)』 - Region All 
 
 Studio: Universe Laser (HK)
 DVD Release Date:November 3, 2001
 Run Time: 109 minutes
 
 Aspect Ratio: Widescreen - 2.40:1
 
 Available Audio Tracks: Mandarin, Cantonese (Dolby Digital 5.1 Surround)
 
 Available Subtitle: Simplified Chinese, English, Traditional Chinese
 
 Special Features:
 ・Stars' File (2)
 ・More Attractions(3)
 『方世玉』 『Tai Chi Master』『HIGH EISK』

 

 
 画質、音質はイマイチ。元素材のせいも多分にあるかとは思うんですが、まぁあまりに美麗でもこの映画の場合はマイナスにしかならんでしょうからこれはこれでいいんじゃぁないかと。
「Stars' File」は英語と中国語で李連傑と葬式詐欺の母親役Deani lpの略歴紹介ですが… せめてここは頑張った息子役の謝苗(XIE MIAO)君のが欲しかったですなぁ… まぁ今どうなってるのか解りませんし本作だけの子役だったのかもしれませんが、ボケた父よりシッカリ者ってこの子役があったからこそ観てられましたしねぃ。
「More Attractions」は本作以外の李連傑出演作の予告編となってまして、その中の『Thai Chi Master』は流石ユエン・ウーピンの関わったブツは違うものだとよぉ解ります(笑)。
 
 チャプターの切り方が大雑把だったい予告編集にこの映画のものが無かったり、ってのはよくある話ですし、私のようにサービス品でタダ、無料ってのでのチョイスだったら悪くはないかとは思いますが、ぶっちゃけバリー・ウォン監督や李連傑のファンの方以外はお金を払って購入するのはオススメしかねるソフトではないかなぁ… と思いましたよ、っと。