『ナイト ミュージアム (NIGHT AT THE MUSEUM (2006))』

 
 現在公開中の作品なんで粗筋等は

 
アメリカ公式サイト
http://www.nightatthemuseum.com/  (英語)
 
・日本公式サイト
http://movies.foxjapan.com/nightmuseum/  (日本語)

 

 にて御確認をば。
 
 アメリカではクリスマスシーズンのみならず年明けまでかなり成績を上げた本作、ベン・スティーラー主演ってのに加えてディック・ヴァン・ダイクミッキー・ルーニーってのにもそそられたし、「夜の博物館」ってシチュエーションのコメディって事で期待をしながら観てきましたが… うん、楽しいですよ。ファミリームービーっぽいんだけど結構シリアス、ナイーブなテイストも織り込みつつもスルっと抜けていく様もいいんですが、出演者の演技がいいわ間の取り方もオーソドックスなんだけど全体のテンポが速いんでいい緩急になってるわ。確かに粗はいくつかあって別れた奥さんの扱いはもひとつだし毎晩あんな乱痴気騒ぎしてた後片付けを前任者はやってたの?とかまぁ色々あるんですが、大団円でEarth Wind And FireのSeptemberが…
 

 
 …ってこの歌でもぅね、満足しましたよ、っと。
まぁ9月じゃなくてアメリカ公開が12月で日本公開が3月ですけど、まぁそれを言うのもねぇ… って事で、この映画を観終えて残るのは特に無いんですが、娯楽作品としてつるるっと楽しんだんですんでもぅ満足ですよ。粗筋を読んでいた時には
「また【ちょっと神経質】なベンなんだろうなぁ…」
 と思っていたんですがそうではない駄目男ってのも新鮮でしたし、ノン・クレジットだから日本版のポスターにも出ていないしパンフレットにも写真はあっても何の記載も無いオーウェン・ウィルソンが一杯出ている上に大活躍までしてるんですからねぇ… まぁ個人的にはウィル・フェレルヴィンス・ヴォーンも無理矢理出演して欲しかったんですが、そこはまぁ贅沢って事で…
 
 っと、この映画については満足したんですけど…
 日本側の対応ってのにはちょっと疑問がありまして… っか、
 何で字幕が戸田奈津子?(怒)
 
あの婆ぁに基礎知識が無いのは承知してたが今回もかなり腹が立ちましてなぁ… 断言しますが、もしこの映画が日本だけコケたらその理由は間違いなく戸田奈津子の翻訳のせいです。メタメタなんてもんじゃない。もぅ我慢できなくてヒアリングに頼ったんですけど、私程度ででも何とかなるのがファミリームービーの良さでありますよな… にしても、折角登場人物の喋り方もネタになってんのにそれらは一切無視して全員同時代人で同年代かのような有様にしちゃってる時点でもぅあきませんって… 吹き替え版の翻訳を誰がしたのかは知りませんが、これも吹き替え版の方がまだマシではないんだろうか。とは言え、リッキー・ジャーヴェイス演じる館長のマクフィー博士長がコテコテの英国英語で嫌味ったらしいんだけどボケ気味ってのの可笑しさや前任の夜警三人組、特にミッキー・ルーニー演じるガスの博物館の展示品クラスの古い古い罵倒語の可笑しさを、例えば日本語に置き換えて「唐変木」としてもなぁ… って難しいのは解るんですよ。でも、そこにいくらかでも挑んでこその翻訳じゃないの?まるっきり放棄をして男も女も全部タメ歳同士の会話にしちまうのは怠慢じゃぁない。映画の破壊だ。
 
 あとパンフレット、「西部の鉄道史」を解説するなら中国人奴隷についても書くべきなんじゃぁないんでしょうかねぇ… でないと、ミニチュアから吹き飛ばされるフィギュア達ん中に中国人がわんさといる事って普通の人ってそうそう知ってるもんでもないと思うんですけども、あと… っとパンフレットの出来もイマイチです。
 
 なんとかDVD版では、せめて字幕は改善してもらいたいですな… でないと、ちょっとこのまんまじゃぁ人にはオススメしかねますよ、いやホントに…

 
 
 
【20007/04/03追記】
 いつも素敵な映画レビュー、オススメ文を綴られているSubterranean サブタレイニアンのたお様の本作の記事

 
しかし、不満を挙げるとすれば、それは字幕。『トゥモロー・ワールド』でちょっとアレな人特有の言葉使いが特徴だったシドのキャラクター性を度外視した字幕に感じた不満同様、様々な時代のキャラクターが入り乱れているはずの本作なのに、字幕上では全員揃いも揃って現代語。“ひと手間”“ひと工夫を怠らないのがプロの仕事だと思うんですけどねぇ…。
 

 とあるのには本当に同感。
 
 実は私…
「ベン・スティーラー主演でクリスマスシーズンのファミリー向けコメディだから、いくらアメリカで大ヒットしたけど日本では公開しないんじゃぁないのか?」
 と思っていてUS版DVDの購入を考えていたりもしてまして… 日本ではアダム・サンドラーロブ・シュナイダーウィル・フェレルもビデオ・スルーがデフォルトですし、ね… それが劇場で観る事が出来る、しかもUS版DVDがリリースされるのとほぼ同じくらいの時に! っと、この映画の公開を楽しみに劇場に行ったんですよ。でも、冒頭に出た
 
「字幕翻訳 戸田奈津子
 
 って文字を見た瞬間、物凄くガッカリしたんですよ。
「夫、夫しっかりして! 戸田奈津子でもたまには普通に仕事が出来てるかもしれないじゃない!」
 と妻に宥められて気を取り直して観る事にしたものの、その出来の悪さは既に書いた通りで… せめて『プロデューサーズ (PRODUCERS (2005))』ん時程度は、と思ってたんですがね… まぁアレも殆ど字幕を読まなかったし、決して褒められる仕事の出来だとも思ってはいないんですけど、ここまで酷いと思うようなものじゃありませんでしたもの。
 
 こうやって、楽しみにしていた映画が汚されてボロボロにされるのは辛いし、腹が立つんです。今回のように普通に面白いコメディなのにまるでお通夜のように終了まで殆ど笑い声の出なかった場内だったもんで、余計にその意は募りこそすれ、薄れる事は無いんだろうなぁ… っと思うんですよ。
 
 だから、
せめてDVD化ん時には字幕の刷新をして欲しいんですよ。配給会社には無かったようだけど、せめてDVDメーカーにはちゃんとした、本来の面白さを伝えるプロとしての仕事をした字幕でのリリースをして欲しいんです。
 確かに3月25日付の観客動員で本作は1位を獲得してはいますが、この映画は本当はもっと面白い作品なんですってば! あの字幕のせいで本編からどれだけの味とギャグが消されてしまった事か!