マンガの感想とか雑記とか。

 
 
 ザザッと適当に。
 

オトメン(乙男) 第1巻 (花とゆめCOMICS)

オトメン(乙男) 第1巻 (花とゆめCOMICS)

「やっぱりアスカは飛鳥拳(TVアニメ版『空手バカ一代』)からなのかなぁ?(笑)」
 ってのはさておき、男っかオヤジの私でも素直に面白かったですよコレ。
第1話が本当によくまとまっていて読み切り作品としての完成度が高かったので以降のエピソードがどうなるかに若干の心配があったのだが、このテのシュチュエーションコメディにありがちな毎回のゲストに頼らず且つ、話が深化していってるのは非常に巧いんではないかと。
 以前読んだ『ナデシコクラブ』と違い、基本の絵が上手いがその上手さがちゃんと料理や小物の絵も可愛らしくッ仕立てた上に使い方、コマ配置も含めた見せ方の巧さに繋がっていて説得力になるのも個人的には好印象でして。やってる事は作中作の『ラブちっく』的っかオーソドックスだと思うんですが、設定の逆転とツイストで見せるだけなら多分BL系でもよくあるんだろうけど、あえてウェットに走らせずカラっとしたコメディに仕立て上げているバランス感覚ったら。乙女的嗜好については理解出来なくとも男が読んでも楽しい作品になってるんじゃぁないんでしょうか。無理しての矛盾も拡大もしていませんしね。
「でも、このお話はどうやってくの? どうなっていくの?」
 って興味も含めて次巻が出たら買ってしまうわコレ(笑)。
 
メグミックス 1 (ヤングチャンピオンコミックス)

メグミックス 1 (ヤングチャンピオンコミックス)

24のひとみ』に惚れまくって購入したが、いやぁこれも凄いなぁ… やってるのは『24のひとみ』に収録されてた『メグミックス』と同じでひたすらにシモネタ&不謹慎な駄洒落の連続なんだけど、それがもぅひたすらに詰まっていて読んでてクラクラしてくる。一頃の唐沢商会とか駄洒落だらけの作品は決して珍しいものではないが漫才形式でちゃんと4コマでオチるなんてのはちょっと私は他に知りませんから凄く刺激的でしたね。
 確かにこうやってコミックスとしてまとまるとネタの出来・不出来が見えてしまう反面、この作者の場合通常の4コマと違ってネームと絵が揃っての奇妙な味… 心象風景なのか状況描写なのか判然としないコマや背景が多いんよ… があるもんだから、あまりエピソード単体での評価ってのは個人的にはしたかないですな。ただ流石にひたすらボケてボケてボケまくる様はつらっっと気軽には読めないっか疲れます(笑)。2ページ物になるとコマが拡大し配置される妙も加わって上手いこといった回なんかもぅたまりません。
 ただ最後に収録されてた『完全超悪』は多分作者の初期の作品だと思うのですがなんかガロちっくで個人的にはイマイチ。台詞の過激さが直接的過ぎて70年代ならインパクトはあったかもしれないけれどでも今時やられてもギャグとして有効に機能してるとは思えないんで… でも『24のひとみ』がお好きな方ならば是非、っと。
 
百鬼夜行抄(15) (眠れぬ夜の奇妙な話コミックス)

百鬼夜行抄(15) (眠れぬ夜の奇妙な話コミックス)

「迎えにきて」「鬼の面」「野に放たれて」「緋い糸」「黒天井」の五話収録だが「鬼の面」がダントツの出来栄えで、各巻にそういうゾッとしたりグッとくるこの人にしか描けない話があるから買うんですよね… この視点の独特さやコマの妙といいかつて読んだ創元社や早川等の幻想・怪奇文学を思い出させるものの、しかしこの味はマンガでしか表現しえない作品ですよ。だから、ですかね… 余計に帯にあったドラマ化ってのにちっとも興味が湧かないんですよね、私は。別物として楽しむにはちょっと惚れ込み過ぎてまして、ね(苦笑)。
 
神罰―田中圭一最低漫画全集 (Cue comics)

神罰―田中圭一最低漫画全集 (Cue comics)

死ぬかと思ったH

死ぬかと思ったH

ヤング田中K一 (ニチブンコミックス)

ヤング田中K一 (ニチブンコミックス)

『ドクター秩父山』の徹底したシモネタには感心しつつも劇画タッチであるが故にネタがウェット&グロ過ぎる印象があって、元々シモネタが好きとは言えない私にはあんまり趣味ではなかったのだが手塚テイスト絵の導入によってやってる事は同じでも随分とカラっとした印象になって個人的には素直に笑えて。
 まぁ手塚絵ってのもウェットっかフェチっぽいんだけど、そこを上手く逆手に取りつつ単なる露悪趣味ではなく本人が節度を持ちながらやるバランス感覚は個人的にツボでございましたな…
 私のオススメは『ヤング田中K一』ですね。
某オモチャメーカーの営業時代って括りがあるお陰でまとまった印象があったのと手塚タッチだけでなく本宮、池上タッチの融合もスムーズになっていて見易い上にそれがとても面白く思えましたし、何よりエピソードが強烈。でも強烈なんだけど明るくサラッとしていて… ネタによっては結構悲惨なモノもあるんですけどね… ってのでオススメです。
 コレを読むと同じ関西人の東野圭吾氏の
あの頃ぼくらはアホでした (集英社文庫)

あの頃ぼくらはアホでした (集英社文庫)

 で社会人編は書かない事になさったのが勿体無いと言うか読みたいなぁ… とか思ったり思わなかったり。