『俺たちニュースキャスター(The Anchorman (2004))』

 
 ウィル・フェレルSNLスタッフのアダム・マッケイと組んで共同脚本&主演した映画、なのだがプロデューサーはローン・マイケルズでもないし、SNL映画のようにクリス・ロックロブ・シュナイダー、クリス・カッテンらといったSNL組もいないって事で
「どんなテイストの映画なんだろう?」
 っと思いながらのレンタル鑑賞でしたが… うん、絶対人にはススメないんだけど妻共々顔の筋肉と咽喉が痛くなるくらいに笑ってしまったウィル・フェレルの映画でありまして、

ロクスベリー・ナイト・フィーバー [DVD]

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 が大好きだという人にはたまらん映画なんじゃぁないんでしょうか。人によっては退屈、大げさ、わざとらしい、って嫌われるタイプの映画なんですが、それをローテンションな物語の間に間にアメリカのコメディ好きにはたまらない絶妙なタイミングでやられてるからもぅなんかねぇ…
「私は好きだッ!」
 ってしか言えないですよ。理屈じゃないから。
そういう点での配役が非常に巧くて『ブルース・オールマイティ』と同じアナウンサー役なのにSteve Carell(後に『The 40-Year-Old Virgin (2005)』主演)が実に活き活きしていておかしいのなんの。加えてヴィンス・ボーン、ジャック・ブラック、そしてベン・スティーラーのおいしい事ったら! もぅファンには堪らんとですよ。メイキング等を観ると同じカットでも別テイクが多く、ある程度基本のラインはあってもアドリブをいくつもやらせた上で良かったカットを採用、という実に贅沢な作り方もこの活き活きした雰囲気に現れているんでしょうが、そういう現場でいた功績の一端はウィル・フェレルが担ってのものなんでしょうなぁ… あぁここにオーウェン・ウィルソンがいたなら! って思いましたが、まぁそれは『Wedding Crashers (2005)』オーウェンのアイディアで実現してるんでいいかなぁ… っと。ホント、ベン・スティーラー派の仲の良さもよく出てますわ。
 アダム・サンドラー派の人はそういうムードが嫌うかもしれませんし、映画として観客を引っ張る作りではないので一般の人にはオススメはしません。キモチワルサ(褒め言葉(笑))で言えば断然『ロクスベリー・ナイト・フィーバー [DVD]』だとも思いますが、今回のロン・バーガディンのような傲慢なんだけどお馬鹿でズレてて憎めない、妙なマニア好みの可愛らしさがある役を演じて無理の無いのはウィル・フェレルしかいませんっての。
 
 思えば『Saturday Night Live - The Best of Will Ferrell - Volumes 1& 2』で彼の多芸さ(演技だけでなく歌やダンス、物真似とか実に巧い)は知っておりましたが、ただ傲慢な役ってだけならモンティ・パイソンジョン・クリーズには絶対に敵わないじゃぁないですか。あの傲慢不遜さ、非情さ、慇懃無礼な嫌味ったらしさって部分はウィル・フェレルは根の優しさとシャイさがあるから無理なんですよ… よくやっていますが、私が思うに彼氏の場合はボケをやってこそ活きるタイプだと思うんですよね。そんな私からすればこの映画、凄く楽しかったんですが… まぁ解ってくれなくていいです、ええ。こればっかりは。でもファンで未見の人なら安心して観てくださいな〜 っとぉ。
 
 吹替えが駄目だけど字幕は悪くないオリジナルのラインの端折り方だと思ったんで、US版と日本セル版との収録特典をチェックしてから、ですがそのうち廉価版が出たらこのDVDを買ってしまいそう(笑)ってくらいに画質、音質は問題無かったですよ〜