『Corpse Bride (2005)』レビュー追記。

 
 後で<a href="http://members.at.infoseek.co.jp/dreamfast/2usmo063.html">コレ</a>に追記するかも。
 
 退屈はしないものの情熱も怨念も薄いこの作品で、エミリーの半生を語るべく
現れたガイコツ、その一声でダニー・エルフマンと解ると
「あぁここで『What is this!』や『This Time』とかみたいなめくるめくミュー
ジカルシーンになるのか!?」
 ピアノを弾くガイコツがどう観てもレイ・チャールズなのも含めて期待をした
ものの… 結局バランスの悪い上にサビのリフレイン以外は耳に残らないとっ散
らかった曲とセル・アニメでよくなされているありふれた表現に
「あぁこの映画は残りもこうなんだろうなぁ… 」
 っと意気消沈、っか失望を感じたものでございましたが、エンドロールで彼氏
の担当したガイコツの役名が「Mr.BoneJungle」ってのを見た瞬間には失笑もの
でございましたなぁ… ええ、サミー・ディビスJrの曲でしか知らないMr.ボー
ジャングルをもじったものなのはなんとなく感じてはいましたけどね… 別に
黒くもソウルフルでもなければ華麗なダンスも無いのによくもまぁ… っとな。
 
 本作の主人公ヴィクターは、ティム・バートンによると『ヴィンセント』の
主人公の成長した姿なんだそうな。でも、闇と己の妄想と幻想に溺れて沈んだ
ヴィンセントの物語にはモンスターや闇への愛情と憧れが確かにあったってのに
今作にはそんなものが僅かにしかなく、それこそが成長とするのならばどちらの
世界も退屈で凡庸で愛情もさして無い世界にヴィンセントを放り込んだのは嗜虐
か自己韜晦のつもりなのかもしれないが…
 
 しかし一方の『Charlie and the Chocolate Factory (2005)』ではあれ程
の情熱と愛情と怨念と執念を込めた作品が出来ているのを観れば、やはりこの作
品について一言で表わすのならば
「愛情の薄さ」
 しか無いよなぁ… っと。
どんな言い訳をしようとも、そこに愛情が無いのは製作者自らが解ってる事だろ
うに… 結局、ほぼ同時期の『ウォレスとグルミット』初長編の方が、映像的に
も技術的にも制作費で劣っていても尚、全米のみならず世界の興行収入で勝って
しまったのはそういう事も一因ではなかったかと、謙虚になって、もぅ1年で
二本同時製作なんてしないでもらいたいなぁ… っと。そんな器用な人じゃない
んだし、さ…