『Mr. & Mrs. Smith (2005)』(メモ)

 
 邦題も『Mr.&Mrs. スミス』だが、この題名通り夫婦のお話、であって独身者にはピンとこない、伏線もバラけたまんまの乱暴な出来だけどオシャレな画面のアクション映画、ってトコロではないかなぁ… っと思うのだが、

  • 結婚前、遊びも本気も含めた恋愛をそれなりにした
  • 恋愛結婚
  • 子供はいない
  • 夫婦それぞれに仕事をしている
  • 夫婦それぞれの趣味、世界、価値観がある


 って夫婦に訪れた倦怠期に対するセラピストの指導ってお話の構図で観るとまた違ったものに見えてくるんではないかなぁ… っと思うんですけども。冒頭が最初のカウンセリングでラストが(とりあえずの)最後のカウンセリング、ってなっている間が、

  1. 互いに「こうだろう」と思っていた相手の実態、本体の確認と把握。
  2. 自分自身の客観視と相手との関係性の把握。
  3. 互いにとってのフラストレーションの確認と表示、提示。
  4. その上でのコミニュケーションの模索。
  5. 夫婦としての有り方の再定義。
  6. (その上で残っていれば)秘密、言えなかった事の暴露、告白。
  7. 共同行為、作業による「夫婦」の再構築。


 っという流れになっているんで、提示されるストーリー通りのアクション映画として観るよりも、私は夫婦の関係模索と修復の物語のイメージ… つまり、戦闘シーンやら何やらは全部イメージシーン、比喩、としてとらえるべきではないのかなぁ… っと。そう、お互いが殺し屋ってのも含めて、冒頭とラスト以外は全て例え、メタファー、比喩、心理描写、として観れば… 『組織』も、48時間ルールも、奪還作戦も、追撃戦も… ユーモアと教訓に溢れる作品だと思うんですけどね… ってのはまぁ穿ち過ぎた見方だとは思いますけど、でも、そういう点で観ればそれぞれの組織が父親と母親、って点とか納得しやすいと思うんですけども… って思うのは私んトコが上記の条件を満たしている夫婦(おまけに6年目ってのも一緒)だから、なんですが(苦笑)。
 
 ただまぁ、
ローズ家の戦争 (1989)』、『アイズ ワイド シャット (1999)』等、夫婦の危機を描いた映画と比べれば、あくまで倦怠期を自覚してはいても… って程度で、とても危機とは呼べない、、まぁじゃれあい程度にしかならんワケで。ただ、互いに自己というか個性が強烈だったからこそぶつかりもするのを意識的に避けてきたからこそのフラストレーション、って感覚は、子供のいない(つくらない)夫婦者じゃぁないと解らないと思うんですけどねぇ… そういう点では主演の二人がこの脚本を気に入り、そしてお付き合いのキッカケになったってのは凄く解りやすいんですけど… 何れにしてもスキンシップ&コミュニケーションの1つとしてのファックの比重が大きいのはアメリカだから、なんですかのぅ… それでしか解決、解消出来ない事ってのは無いと思いたいんですがのぅ…
 
 だけど嫌だよねこの夫婦(笑)。
互いに我は強いし、いい歳してまともな友人が誰もいないし御近所付き合いも下手だし… そういう点では困った者同士、割れ鍋に閉じ蓋、ってコメディとして観ればテンポはいいし、主演二人の互いがコメディアン、コメディエンヌの資質もよく出ていたしセットにも衣装にもお金がかかっていて眼にも楽しかったんでオッケーですけど、万人に薦める気にはなれませんなぁ…
 
 
 
 って事で、
以下はDVDについての情報なんで、興味のある人だけ

 
・『Mr. & Mrs. Smith (Widescreen Edition) (2005)』 - Region 1
 
 Studio: 20th Century Fox
 Theatrical Release Date: June 10, 2005
 DVD Release Date: November 29, 2005
 Run Time: 120 min

 Aspect Ratio: Widescreen - 2.35:1

 Available Subtitles: English, Spanish
 Available Audio Tracks:
 English (Dolby Digital 5.1)
 Spanish, French (Dolby Digital 2.0 Surround)

 SECIAL FEATURES:
 ・Making a scene Feauturette
 ・Commentary by: director Doug Liman and screenwriter Simon Kinberg
 ・Commentary by: crew
 ・Commentary by: producer Lucas Foster and producer Akiva Goldsman
 ・Deleted scenes (3)
 ・Trailers
 

 え〜、画質&音質共に問題ありません。非常に綺麗ですんで、この映画がお好きな方は購入してもガッカリしない品質だと思いますが、
 特典、ショボ過ぎ。
 この映画のDVDを買う人が一番欲しいのったら、ブラッド・ピットとアンジェリーナ・ジョリーの主役二人の音声解説じゃぁないのん? ギャラがかかるのは解らんじゃないけれど、撮影スタッフや共同プロデューサーらの鼎談なんか別にいらんでしょうに…
 そういう点ではちょっと残念なDVD、ですな。