『Cheating Death, Stealing Life : The Eddie Guerrero Story』

USA-P2005-12-25

 
 先週末は大雪だったってのに届いたので、寝る前にポツポツ読書中。
ただ原著なんて読むのは久々で解らん単語や表現に加えて時折スペイン語?が入るのでペースはかなり遅めもいいトコだが… 本人の生硬な気質が出過ぎていて読むのに疲れたカート・アングルの自伝に比べると親しみ易い文体のような気がしなくもなし。NWO04前のプロローグから少年時代、そして日本とメキシコ時代、ECW、WCWそして… っという内容を冗談を交えつつも基本的には静かに語っているような印象で、「I」「me」という自称を「俺」と言うよりは「僕」又は「私」としたい感じがしています。
 ただ… 頻繁に出てくる『nervous』という単語、Keyfabeを守ったであろう部分、そして彼にとってのGOD、beliveという単語に込められた想いというのは容易に余人が想像出来るものではないし、特に信仰という点は私にはなんとなく解っても実感というか理解出来るだなんて言えん、ってのも含めて読むスピードは遅いが。
  
 しかしまぁ、カートの自伝でも思ったのだが、このエディの自伝でもヴィンスの恐ろしさと言うか凄さはよく出ていますよ。キャリアでの節目節目での適切な指示、アドヴァイス… それを聞いた当時はよいものとは思えなくても後にそれが… だけでなく、ショウをしていく上でリアルな感情を出させる為には時として非情になれる、って部分がシビる。
 例えば、
交通事故後、アルコールとドラッグのリハビリを終えてWWEに復帰した時の事。SCSAとのアングルで、バーでのスキットの時の事。リハの時にエディの手にはフェイクのビール(ノン・アルコール、のかなぁ?)があったのだが、ヴィンスはそれを本物のビールに替えさせ、エディに
「何の問題も無いよな?」
 っと、言ったのだそうな。
そのビールは飲まないし、かわりに飴で出来たビール瓶でSCSAの頭を殴るってオチがつくのだが、それにしたって重度のアル中でもあったエディの復帰のスキットとしてはかなり過酷なものではないだろうか。テストでもあったのかもしれないが… そして、ちゃんとプロとしてそのスキットを
「何の問題も無いよ」
 っとこなしたエディもプロだが、それをよりリアルにさせたヴィンスも凄いなぁ… っと思う。
 
 これ以外にもレスラーの素敵エピソードも散りばめられたいい自伝だと思います。裏話的っか『ビヨンド・ザ・マット』的な部分はあまりありませんが、それはエディさんならではの配慮ではないのかなぁ… っと。繰り返しレスリング・ビジネスの厳しさや辛さを説いていますが、それもまた彼がビジネスを愛し、真摯でいた姿だからこそ… っと思うと切なくなります。
 ただ、写真が本文とあまり関係が無い配置になってるトコも少なくないのが残念ではありますが… ま、冬の夜、ベッドが温まるまでの間の読書に暫くはこれを読む予定。