『チアーズ! (2000)』

 
 既に観た方からすればナニヲイマサラ… ではあるが、ナカナカに30過ぎの男が学園モノで女の子が主人公でチアリーダーが題材の映画ってのを観るには抵抗も偏見もあったのと、続編がどこの店でも叩き売りされているのも含めて今まで私、観ないでおりましたが… 馬鹿でしたなぁ… いや、もぅ大馬鹿。明るくて素敵で楽しくて最高じゃないですかコレ!
 原題の「Bring It On!(かかって来な!)」ってのが実に清々しい、湿度が低くてドロドロしてなくて、真っ向で、明るい。前向き。汚くない。ちょっとえっちぃで、でも激しいスポーツとしてのチアリーディングの凄さ! エンドクレジット迄の100分が本当にアッという間で、こんな映画を見落としていたなんてねぇ… って事で、欲しくなったが既に何度も何度も何度も廉価版が出ている続編と違って*1この作品はリリース以来のボッタクリ全開定価¥6300で当面廉価版リリース予定も無い、って事なんで値段だけでなく画質の点でもUS版を購入しようと思ったですよ〜 
 っという事で、私のブログに来てる方には文句無くオススメでございます。
確かに商業作品として徹底している分だけ苦手に思う人もいるかもしれませんけれど… でも、理屈だテーマだメタファーだ、なんてのを有難がってるだけ、ってのもつまんなくねぇっすか?
 
 …ってのの、ついでに書いておくと。
 
 結局『ウォーターボーイズ』の出来が良いと思ったのは、あくまでインスパイヤ元のこの映画の出来が良かったからに他ならず、たまたま日本映画の出来る事へとスライドさせた結果が偶然良かった、ってだけであって、監督の力でも何でもないんだろうなぁ… って思うのは妄想ですかねぇ?
 
 以前ボロクソに『スゥイングガールズ』について書いたけど、なんでアレが駄目なんだろう? っと『ドラムライン』や『ユー・ガット・サーブド』や『ドッジボール』とかを再見してみて解ったのは、明らかに無駄、蛇足が多過ぎるからなんですよな… っか、私ならあんな本編は30分切ってるって思ったけど、それはあくまで映画としてのテンポと最後の演奏会をより引き立たせる為に、であって、それをハリウッド被れと笑うのならば笑えばいい。あんなただの無駄や蛇足、偏見まみれでにキモチワルイ人物、お話、展開とかで喜んでるような輩なんかと一緒にされたくねぇって。それくらいグダグダもいいとこじゃねぇか。
チアーズ!』だってリアルな物語か? ったらそうじゃねぇんですよ。でも、確かにチアリーディングをしているというリアルを確実に、かっこよく、それだけを映しているそのシンプルさと力強さ、そして何より「こんなんあり得ねぇよ」って観客に思わせないだけの作品内でのリアリティを持っていて、そこから逸脱しないようにソリッドに無駄を切って切って切りまくって出来ているのと比べたらね…
 
 むしろ、あの監督はなまじ『ウォーターボーイズ』で有名になってしまったが故に不幸なのかもしれん。ダウングレードでコピーした作品で多分彼がやりたかった事ってのは達成でも青春でもシンクロでも無い筈で、『ひみつの花園』からずっと男も女も撮れないし描けない、お話も作れないし魅せれない、兎に角グダグダさと年少者への同性愛嗜好しか無いんだから、そっとゲイ映画でも撮らせてあげた方がまだマシな作品を作りそうな気がしなくもないんですけど… ただ、固執する世界観なり心情なりを持ち合わせてるとも思えないし、作者としての冷静さも判断力も無いからカッチリした作品にはならんとは思うが、このままずっと自作品のダウングレードっか劣化コピーの繰り返しをさせてるよりゃぁマシなんじゃないのかな…
 それでも食っていかにゃならん事を思うと蛸の足食いも仕方無いのかなぁ…
 

*1:っか、監督も脚本も主人公も誰一人出ていない、プロデューサーらだけが同じなだけの企画続編って…