『サイドウェイ (2004)』

 
 負け犬映画がお得意のアレクサンダー・ペイン監督作品。
ポール・ジアマッティの巧さが光るが… 詰めが甘いと言うか、ワインを題材っか暗喩にもしているのに、
「出来の悪いと言われる年の物でも素晴らしいワインが出来る事もある」
「どんなにいいワインでも保管状態によってはクズ以下になる」
 って要素が無いのでノッペリとした印象になっていたのが残念か。
風景や状況のシーンの撮り方も音楽の使い方も巧いし、この監督は才人だと思うが… だからこそ、ちょっと、時々無駄、と言うか説明のし過ぎが気になる、ってのは贅沢な言い分かもしれんがラストも語り過ぎになってると私は思うんだけどなぁ…
 あのレア・ワインを開けるカットは留守録の後にして欲しかったが… んでノックはカット、じゃ駄目なんだろうか… っと観終えて妻に話すと
「夫はロマンチストなんだねぇ」
 っと言われてしまったが、
それこそ『紅の豚』でポルコの顔をわざわざ映すような真似をしなくてもいいのと同じだと私の中では思うんですけどねぇ…
 
 ま、軽くビターな映画で楽しめました。正直『アバウト・シュミット』の時は苦過ぎて、ラストの光を感じれるのは絶望の中だから、ってのには本当にキツイ想いを抱きましたが… それと比べればまだビターなのは40過ぎ男の物語、だからかなぁ… って点も込みでの軽くビターな作品
ではないかな、っと。ま、人生の横道・寄り道、としては弱いとは思いますが… ま、男衆は観ておくのも悪くはないかな、っと。