『紙の破壊王 ぼくらが愛した橋本真也』

 
 面白い。
ネガティブな部分を極力カットして、生前の橋本選手の豪快さや無茶さや陽気さを
中心にした構成と編集にはとても素直に好感が持てる。勿論、橋本という個人と実
際に関わった人にはこういう好感だけでなく迷惑も当惑も困惑も苦労も心配も一杯
あったとは思う、が、それもこれも綺麗な思い出にしてしまった方が遺された人々
にはいいんじゃないんだろうか? 無駄に豪華っぽい装丁といい故人の「らしさ」
が詰まった楽しい本だと思う。ぶっちゃけ、実話誌での、どの程度事実が含まれて
いるかも解らない誹謗中傷紛いの暴露(?)記事なんぞでは、この清々しさも楽し
さも、そして、それが故に、読み終えて感じる寂しさも感じる事は出来ないしね…
 でも、生きてこそ、だよね。遅過ぎる死は滅多に無いが、早過ぎる死の多さは、
四捨五入して40の私には他人事じゃぁなく、身に感じるだけに余計に辛く思って
しまったのは秋のせい、もあるのかなぁ…
 
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『紙の破壊王 ぼくらが愛した橋本真也
作者: 『紙のプロレス』特別編集
出版社/メーカー: エンターブレイン
発売日: 2005/10/11
定価:¥ 1,680
ISBN:4757725051