the 50 Greatest Horror Movies Of All Time

 
 … まぁ幽霊の御国・イギリスの映画雑誌の選出、ですけども。
 
って身も蓋も無いのかもしれませんが、必要なのは鍋と火だ! という引用が何人の人に解るのか不明ですが、まぁジャンルがホラー映画だしいいじゃねぇかコノヤロー、っと、今回はひたすらダラ〜っとこのベストの中で私が観たモノに限って感想っか雑感を書いてみるだけに撤してみようかと思って始めたらメチャクチャ長くなってしまって辟易。これも自分の因業、辿ってきた映画史のせいなんでしょうなぁ(溜息)… ってのはさておき、
 
 未見の方の参考になるかどうかは解りませんが、一応、
「もし観た事が無いんだったら、観ておいても損は無いかも?」
 って思う作品には【オススメ】と入れておきます。
 
 という事で、お時間に余裕があってホラー映画好きの方に限って、

Total Film proudly hails the 50 Greatest Horror Movies Of All Time
 を元にしたUSA-Pの映画雑記、雑感。
 
1.『悪魔のいけにえ THE TEXAS CHAIN SAW MASSACRE 1974
 何度も観ているがブラック・コメディとしか思えない…
狙って出来た作品ではないだけに、そのテイストとHIGH-TENSIONさは今も色褪せてはいないが、冗長で無駄も少なくないと思うが…
 
2.『ハロウィン』 HALLOWEEN 1978
13日の金曜日』等のスラッシャー映画の基本、型となった作品。
 色々と続編が作られたのも一緒だが、この初代を超える理不尽さと不気味さは越えられなかったと思うけど、この位置にあっていいのかは疑問。
 
3.『サスペリア SUSPIRIA 1977
 色彩感覚の異常さを楽しむものであってストーリー云々はどうでもいい。公開当時はショッキングだったものだが、今観るべき作品かどうか? ってなると「否」か(オチが、ねぇ…)。
 
4.『ゾンビ』 DAWN OF THE DEAD 1978
【オススメ】 但し、ロメロ・ディレクターズ・カット版で、なら。
 アクション映画としてならアルジェント版なんだけど、寓話としてのゾンビ映画でならコレかと。ただ、これ、ホラーなのかねぇ?
 
5.『シャイニング』 THE SHINING 1980
 原作のキングが嫌うのも解らないではないが、重厚な映像美ではやはりコチラか。そういやぁスピルバーグもこの映画のジャック・ニコルソンは好きじゃぁないそうだが、あのバーのシーンの淡々さ加減は何度観てもゾクゾクするです。
 
6.『サイコ』 PSYCHO 1960
 エド・ゲインものの開祖にして傑作。ただ、ホラーとは思わん。
白黒だからこその怖さはあるが、サスペンス映画としての面白さはヒッチコックだからこそ、かと。
 
8.『ローズマリーの赤ちゃん ROSEMARY’S BABY 1968
 今観ると結構タルイかも。
女性、それもマタニティー・ブルーの方ならもっと肉薄する部分もあるかもしれんが男の私にはピンとこねぇっす。
 
10.『食人族』 CANNIBAL HOLOCAUST 1980
【オススメ】 但し、海外版での視聴なら。
 続編、亜流、模倣が量産されるも、シーン単体ではなく一本の映画としてならこの作品に敵うモノはそうそう無いかと思われ。
 リアルとフェイクの織り交ぜさ加減とイタリア特有の湿度の高い陰湿さがエグイがしかしコレ、モンド映画でホラーじゃねぇよ。
 
11.『遊星からの物体X』 THE THING 1982
 SFアクション映画じゃないのかなぁ… 面白い作品だと思うが、流石にSFXがもぅ辛いよね…
 
12.『キャリー』 CARRIE 1976
【オススメ】
 映画好きの母親に連れられて劇場で観てトラウマになりました。
ひたすらに陰湿で救いの無い映画ではありますが、この作品が最初の試みとして行った事… おそらく監督は禁じ手、一度限りの手だと思っていたと思うのですが… が、後のホラー、スラッシャー映画の定番、お約束になった事も含めてのオススメ。
 
13.『エクソシスト THE EXORCIST 1973
 仏教徒で子供のいない私にはピンときません。
 
14.『ブレア・ウィッチ・プロジェクト THE BLAIR WITCH PROJECT 1999
 一度限りの手としては面白いんじゃぁないんでしょうか。
ただ、その手法上、吹替えで観るべき作品なんですけど、日本版の吹替えがあんまり良くないんですよ… 残念。
 
16.『たたり』 THE HAUNTING 1963
 この位置に来たのはイギリスならでは、かと思うんですが。
怪異の館、というシュチュエーションを破綻させずに最後まで展開していった映画とは思うんですが、ホラーとしてどうか? っとなるとまた別のような気がしますが。
 
17.『死霊のはらわた THE EVIL DEAD 1981
 サム・ライミ監督の商業デビュー作ですが… 後の作品で開花、っか披露するアメコミ好き、先端恐怖症、エンターテイメント性、って点で観直すとより面白いかと。でもこれもホラーかぁ?
 
18.『血を吸うカメラ』 PEEPING TOM 1960
 トラウマを元にしたスリラーってトコですが、色々と辻褄の合わなさや説明無しの部分も含めて出来がいいとは思えない作品。これと同時期に公開された『サイコ』がいかに洗練され、整理されていた作品かがよく解るが… 味って点では甲乙つけ難いか?
 
19.『エイリアン』 ALIEN 1979
「あぁホラーをやるにもSFでなきゃならん時代になったか… 」
 っと劇場で思ったものですが(嫌な小学生だねどうも)フェチっぽさやメタファー云々で観るよりも素直に楽しむのがいいかと。
 ただ、前半がメリハリに欠けて長いよな…
 
20.『フランケンシェタインの花嫁』 BRIDE OF FRANKENSTEIN 1935
 まぁ正確には「フランシェタイン博士の怪物の花嫁」ですけど。
この映画で! この映画から! ってモノは見当たらないので古典好き以外の人が無理して観る必要は無いかと思われ。
 嫌いじゃないけど、シリーズ途中の1つだしねぇ…
 
21.『ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド』 NIGHT OF THE LIVING DEAD 1968
 今、観ようとしてもDVDの最終版しか無いんじゃぁなぁ…
この異様な黒人が主人公の映画のリアリティを日本人の私には理解し難い部分はあるし、ベトナム戦争公民権運動ナドの当時のアメリカの時代のモノ、って印象が強い分だけ、寓話としては風化してるとは思う。とは言え、あのラストは衝撃的でしたな。
 
24.『エルム街の悪夢 A NIGHTMARE ON ELM STREET 1984
『ハロウィン』の亜流の中では『13日の金曜日』に次いで成功した作品ではないかと。まぁSFXが今観ると辛いんだけど、設定の独創的さと夢世界と現実世界とのバランス、配分が良いかと。
 
25.『狼男アメリカン AN AMERICAN WEREWOLF IN LONDON 1981
 数多いジョン・ランディスの失敗作の中の1つ、かと。
ストーリーにしろ設定にしろ無駄が多く、充実に過去の白黒映画の恐怖映画を現代に再現させようとした試みと熱意は認めるが…
 
29.『オーディション』 AUDITION 1999
 三池監督が来ましたか。
でもそれなら『吸血鬼ゴケミドロ』や『マタンゴ』も入って欲しい作品なんだけどなぁ… とは言え、よく出来た佳作だと思うです。
 
30.『シーバーズ』 SHIVERS 1975
 クローネンバーグ作品の中では駄作なんじゃないのかなぁコレ。
似たような設定でなら『ラピッド』の方がエグかった気がするし、って以前に、そもそもこの人の作品はホラーではなく寓話に位置すると思うんですけども。
 
33.『悪魔のような女 LES DIABOLIQUES 1955
 これもホラーってよりはミステリー&サスペンスではないかと。
 古典の名作の1つだとは思いますが…
 
35.『インフェルノ INFERNO 1980
 アルジェントの出鱈目さを堪能するにはいい作品。
真面目に、期待して観るとその出鱈目さに激怒する事うけあい… って、何でこの順位にいるかなぁ!? そりゃ魔女3部作の1つではあるし、ワケわからなさはその中でも格別ではあるが…
 
36.『マーティン』 MARTIN 1977
 青春残酷物語にしか観れなんだんですが… ホラーかなぁコレ?
 
37.『ハウリング THE HOWLING 1981
狼の血族』や『ウルフェン』の方がお話としての出来はいいとは思うんだが、SFXのコケ脅しではコレになるかなぁ… っと公開当時は思ったが、あえてその確認の為だけに今、観直す気にはなれまへんなぁ。
 
39.『キャンディマン』 CANDYMAN 1992
『ルール』やら都市伝説系スラッシャーの中からコレが? と疑問。
とりたてて悪かないけどコンピレーション物のような印象は拭えないなぁ… ってくらいに薄い記憶しかねぇっす。
 
41.『スクリーム』 SCREAM 1996
 えええええええええええ。コレ、ホラーなんっすか!?
マニアなら途中のクスグリが笑える作品だけど、それ以外は… …
 初見の時は妻共々途中で寝たっけなぁ…
 
45.『ブレインデッド BRAINDEAD 1992
【オススメ】 必見。人は選ぶが。
いまや『ロード・オブ・ザ・リング』の監督、と言った方がいい、ピーター・ジャクソン監督の出世作。ひたすら下品に、過剰に、パワフルにゾンビもどきとの戦闘の映画の軸に男の自立と家族と愛を据えたイカレた作品で、ブラック・ジョーク満載で一度観ればもぅお腹一杯。ただ、すげぇ下品なんで人は選ぶけど、後の彼の軌跡、資質がよく出ている作品なんで観ておいていいかと…
 って、コレもホラーじゃねぇよ…
 
47.『イレイザーヘッド ERASERHEAD 1977
 できちゃった結婚は最悪だ、っと。
確かにその状況は当人にとってはホラーなのかもしれないが…
 でも、この作品は監督の愚痴、恨み節、だよなぁ。
 
48.『ネクロマンティック』 NEKROMANTIK 1987
恋の門』の系譜、延長線上にあるんだろうけど、ドイツ人ならではの綿密さと徹底さ加減にゲンナリ。いやまぁ悲しい恋愛映画だとは思うが、グロシーンの医学的な冷たさの中にも漂うある種の情熱や喜びは私は共感も理解も出来ないし受け付けられねぇ… 計算した上での悪意ならば見せ物として割り切れるんだけどねぇ。
 
49.『ビヨンド』 THE BEYOND 1981
 フルチの地獄三部作、本作と『地獄の門』『墓地裏の家』は全部観てるけど、どれがどれだか… ごっちゃになっていて、よく思い出せません(笑)。まぁどれも陰湿でゲロイのは覚えてますがどれもストーリーがメタメタなんだもんなぁ…
 
50.『ヘルレイザー HELLRAISER 1987
 ファッショナブルなスラッシャーとしての彼氏・ピンヘッドのデザインと造形は評価出来ても映画としての評価はしたくないなぁ…
 

 って事で、トータルの感想としましては。
 
 23位の『SWITCHBLADE ROMANCE (2003)』(イギリス題名で、原題はフランスの『HAUTE TENSION』、そのままの英語訳になったのがアメリカ題名『HIGH TENSION』で今年の夏、全米Box Office10入りした作品)は、そのウチに購入する気にはなりましたが…
 
 私的にはこんなのより哀切溢れる『バスケットケース』、『悪魔のいけにえ』の元ネタの1つの『鮮血の美学』、スプラッターの開祖のH・G・ルイスの『血の祝祭日』や、私は未見なんですが海外では既に評価(っか悪評?)の高い『BLOODSUCKING FREAKS』や『LAST HOUSE ON DEAD END STREET』とか、入れておくべき作品は色々ある筈だと思うんですけどね… 
 
 って言うかですね、
ゾンビ・コメディの『ブレインデッド』が入っているのならば何故に

 を入れないのか、っと。納得いかねぇぞ、っと。
そりゃまぁ『ブレインデッド』はその過剰さと下品さでスプラッタというジャンルにエンターテイメントとしてトドメを刺した究極の到達点ではありますよ? しかしねぇ、コメディが入ってもいいのならば、映画として出来の悪い『キャンディマン』や『スクリーム』が入っているのなら、イギリス映画なんだしランクインしてたっていいのになぁ…
 
 っと、やっぱり色々と不満は残るのでありましたとさ。