「私が、『Sin City』を敬遠する理由(わけ)。」

 
 …ってもプレスリリースを基準にしている以上、勘違いなのかもしれんのだが、
かつてハードロマンとかノワール系の小説が兎に角下品に思えて駄目だった私で。
 そりゃまぁミッキー・スピレインの『裁くのは俺だ』とか、代表作は面白く思
える部分があったけれど、じゃぁ自分の好みは? ったら、すごく爺臭いけれど
レイモンド・チャンドラーでありローレンス・ブロック等のハードボイルドであり、
エド・マクベインやカート・キャノンではないのですよ。
 そうでなければもぅ断然カーター・ブラウンで、あのバカバカしい世界とお話
を最後までカラッっと読ませるウィットとワイズクラックがあればこそ、でね…
ウォーレン・マーフィーやらロバート・B・パーカーでは駄目なんですよ。勿論、
それはディクスン・カーエラリー・クイーンでも駄目で、そっちならせめて、
物語のロマンのあるコナン・ドイルか、構成の巧みさでハドリー・チェイスやら
にして欲しいし、ロス・マクドナルドの辛気臭さはやっぱり駄目で…
 
 っと、こういう私からすると、どうも『Sin City』、ビジュアルではソソルん
ですけど、お話でノれそうにもないんですよね…
「今更?」
 って気がしているのも1つですが、ここんとこ「家族という共同体」の確認と
構築がテーマになってる作品って映画や小説でも多いじゃないですか、アメリ
のエンターテイメントは。どうもそう思えてしまって… どうもそれがねぇ…
卑しき汚れた町を行く孤高の騎士が乙女の為に戦うのは構わない。でも、乙女の
為に戦うというその事が自己存在確認行為としての主目的になってるのは、ちょ
っと違うんじゃぁないかなぁ… っと、思うんですよね… 『タクシー・ドライ
バー』のトラビスのようにイカレているだけならまた別なんですが、ハードボイ
ルド好きの私には… う〜ん…
 
 っと思っておるのですが、この印象って私の勘違いなんでしょうか?
既に観た方で、上記の例えが何となく解る方の中で、御教授いただければ幸いです。