海賊版撲滅キャンペーン。

 
 最近映画館で上映前に海賊版撲滅キャンペーンのCMを観させられるようになったけれど、そもそも映画館に来る客層に対して見せたトコロで一体どれほどの効果があるのかよく解らん、って以前に
「映画が汚されてゆく… 」
 って、あのCMの出来が悪いのが気に入らんのだが。
 
 それだったらレンタル用版のアタマにスキップ出来ないようにしての収録をしておいた方がナンボかマシなんじゃぁないのかなぁ… ってな事を思うのはUS版のCMを観ているからかもしんない。
 何せUS版DVDに収録されている海賊版撲滅キャンペーンCMはハッキリとコピーや違法ダウンロードする行為自体を
「それは車上狙いと同じ」
「ひったくりと一緒」
「お店からDVDを万引きしているのと同じ事」
 っと映像で具体的に例えにして犯罪(CRIME)だと言っているんですよな。それと比べると、言ってる事も映像も曖昧な日本のは
「汚される、って言われたってなぁ… まして劇場で?」
 って気分にしかならんのですけれど。
 
 そりゃ違法行為はあくまで違法行為ですよ。
その違法行為を擁護する気も支援する気もありませんが、と言って… 既得利権構造ドップリ見え見えの今の日本映画業界の保護の為の順法じゃぁなく、ただ単に回線がナロー(苦笑)なのと、返却が面倒だし近所のツタヤの新作入荷が弱い(『ミート・ザ・フォッカーズ』くらい入れてくれや… )のもあるんで、US版をメインに購入しているだけなんですよな。その方が安いし、早く観れるし、綺麗だ、ってのも大きいんですけど、まぁそれだけの話ですよ。
 
 だから今の日本の映画業界、特に宣伝&配給会社に対して、例えば戸田奈津子のような下衆をいまだに跋扈させている事や、オリジナルと全く違う内容に切り刻んで編集した予告編や映画ファンは馬鹿だと言わんばかりの観客感想TVCMなど、今までやってきた事に不信感やらしか無いんで、海賊版被害に対する同情や憤り、キャンペーンへの共感とかあんまり感じないんですよね…
 それこそ、海賊版撲滅CMに例えるなら、普段
戸田奈津子の字幕で映画が汚されてゆく… 」
 って思ってる私からすれば、キャンペーンそのものには同意出来るけど、賛成、支持をする気にはなれないんですよな。
 
 と言って違法行為を推奨する気にはなりませんが、しかし日本での被害を主張し、海賊版撲滅をやろうとするのなら、
「廉価版発売までのサイクルを現在主流の半年から2年に延長する」
「字幕翻訳等のクオリティアップ」
「レンタルでの利益回収からの産業構造の転換」
 など、映画産業側がまず襟を正すべき事の方が多いんじゃねぇの?