『奥さまは魔女 (2005)』

 
 TVCMだけでなく購入したパンフレットまで
ニコール・キッドマンの」
 って言ってる『奥さまは魔女』、ウィル・フェレルの新作だから… っと来たのは私ぐらいなんだろうな… それが理由で妻を連れて来たってのも… っと思いましたがナニせ【ろまんちっく・こめでぃ】ですけど私ら夫婦は好きじゃぁないジャンルでしたし…
 
 ってな事を思いながらの上映開始前でしたが、それよりも字幕翻訳に「戸田奈津子」の名前でゲンナリしてしまってたので、ぶっちゃけ内容には期待をしないでおりましたが観終えて悪い気分にはならない
「まぁ面白かった、かな」
 って思う程度の作品であったのも事実で。
 
 1つには人物のエピソードやエピソードのボリュームが足りないんで、イマイチ心情やその変化が唐突とまでは言わないものの不自然に思えるんですよな。
 特にイザベル(ニコール・キッドマン)が魔女だと告白してからの逡巡や葛藤、ってクライマックスからラストまでの盛り上がりの為の「間」っ〜か「溜め」が薄いんですよ。編集のテンポが良いから観れるんだけど、それまでの流れからの変化も弱いんで、帰り道の車中で妻とあれこれ「こうした方が…」とか話していたくらいに色々と足りないのは勿体無いなぁ… イザベルがオリジナルの『奥さまは魔女』を観る事によって、現実の人間界にもその影響が出てきて… って部分に関しても説明不足だったし… っと惜しい作品だと思います。
 
 加えて懸念した通り戸田奈津子の訳のいせいで作品が下品なモノになっておりましてのぅ… シモネタやDirty Wordをわざわざクドく訳すかと思えば
「good... so,good」
 くらいの台詞を
「いいね、最高だよ!」
 って訳すのか解りません。
流石に展開が解らなくなるほどのメチャクチャはありませんが、
「多分、吹替えの訳の方がいいんだろうな… でも、EDに松田聖子の歌じゃなぁ… 」
 っとジレンマでありましたが、観ていてイライラしっぱなしで途中でもぅ音声中心にしてましたが、それでも日本人ですから読める字が画面に出るとやっぱり観てしまうもんで、それが凄く残念でしたな…

 っと、難点はあるんですがしかし、
画面が綺麗だし、ニコール・キッドマンがあんなに可愛いらしい作品って無いんじゃぁないんでしょうか? 多分ウィルとの間がスムーズに、リラックス出来るからってのもあるんでしょうが、普通ならば観ていて痛くなるよな、恥かしくなるようなフリやポーズでさえも綺麗で可愛くて、その上ファッションや部屋などもオシャレというより可愛いらしくまとめてあり、作品全体として嫌な気分にはさせません。
 妻も
「あのニコール・キッドマンと猫と可愛い部屋を観る為にDVD版、買ってもいいかな…」
 とか申しておりましたし、それに私も何の異論もございません。
 ぶっちゃけ、US版買おうかなぁ… とか私も思っていますし。
 
 またウィル・フェレルの良さを再確認しましてのぅ…
『ロクスベリー・ナイト・フィーバー』『ズーランダー』『スタスキー&ハッチ』っと、彼氏はゲイっぽい雰囲気のキャラで笑わせてきた人でしたが今回はその雰囲気を一切出さずに神経質っぽい雰囲気とお馬鹿さんさを微妙な配分で演じていましたし、何より長身(190何センチだったっけか… )の自分の体の大きさをキチンと意識してる動きには彼の器用さ、いや、多彩さがよく観れましたしね。
 
 だから戸田奈津子の訳の下品さがより目立ち、腹が立つのですが。
 
 正直、出演者の年齢の事もあるんで10、20代の方にはイマイチこない映画だとは思いますが、30代だったらオッケーなんじゃないんでしょうか。恋愛が美男美女の「御話」ではない、って部分も込みでこの作品のような「寓話」を楽しむには… っと。
 
 ま、男性にはオススメしかねますけど、私は楽しかったですよ〜