『スーパー・サイズ・ミー』を観た。

 
 自分達が伝えたい事を語る為に事象を加工する、というのが
ドキュメンタリーなら、そりゃぁマイケル・ムーアだろうが
皇帝ペンギン』も『ゆきゆきて神軍』もドキュメンタリーに
なるんだろうけど、まぁ、そうじゃぁないワケで。
 って事で事象を元にしたエンターテイメント映画として面白
く最後まで観れましたが… いやほら、ドキュメンタリーって
結末は投げっ放しでは絶対に駄目だし、と言って押し付け、説
教じゃなくて、発端の問題に対する解答なりその回答への道筋
でなきゃ… って点からすると、やや甘い印象、ですかな。
 と思うのも、結局この問題に関する監督の心情って部分なり
が薄いんですよな。途中でインタビューしてる一般人も偏って
いるだけに、結果の為の過程としてドキュメンタリー的な手法
を使うのはいいとしても、そういう手段を使うだけの理由なり
目的なりが監督らの政治的な理屈ではあっても、表現者として
の「情」の部分は薄いから、こちらに訴えかける程のものでは
なかったように私には思えましてのぅ…
 
 そりゃまぁ炭酸飲料に使われている砂糖の量を知らない、等
の人には十二分にショッキングだとは思いますし、その理屈に
限ってなら充分にプロパガンダ作品としては綺麗にまとめられ
てはいますがしかし、、
「自分はクリントンよりはマシになると思ってブッシュに投票
をした」
 という自分自身の贖罪の部分もバッサリとカットしてしまっ
マイケル・ムーアの『華氏911』に感じた物足りなさと似
ているんですよね、私の中では… 理だけで人は生きているの
ではないのだし、その理以前に食う事、生きる事に切実な人に
さえ訴えるのが情、じゃぁないんですかね?
 
 あと、字幕の出来は悪くはない分、吹替え字幕とその演技に
は結構辛い。それと劇中で挿入される歌、実は相当皮肉なもの
だったり辛辣だったりするんだけど、その歌詞の役が出ないの
はソフト的にかなり残念な仕様かと思いましたな… まぁ、こ
れは日本版ソフトについての文句であって本編の出来とは関係
無いんですけども。
 
 っと堅苦しい事はさておき、途中爆笑したのがチャイナタウ
ンのマックにて、
ビッグマックが商品写真のように綺麗だ!」
 っと監督が喜んでいたトコロで、NYのマクドナルドで本当
に、本ッッッッッ当に、
「犬のエサか残飯かコレはッ!?」
 っと店員の対応も酷かったけど出てきたブツも酷かった経験
をした身には
「これがチャイナタウンだよ〜 こういうのが食べたかったら
チャイナタウンに!」
 っと笑う監督の気持ちがよく解りましたな…
 
 って事で今日のお昼はビックマック&ウーロン茶(笑)。
妻はいつもならコーラなのに、今日はウーロン茶にしていたの
が何か可笑しかったっす。