「小倉にて」(日記)

 運が良かった、と言うべきだったのだろう。
確かに名古屋駅のホームで1時間待ちをくらったものの、東京から乗っている人に
比べればブラついたりするのも自由だったし、まして運転中止になったのでもなく
無事に小倉に着いたんだから… と、ホテルの窓の向こうの暗い夜景を観つつ、
ボンヤリ思いながらふとTVをつけると、どこの局でも久々の関東地方への台風
上陸とあってか大騒ぎをしていて実に醜い。
 被害という点で22号以前の方が酷かった。
 しかし、東京ではないから対岸の火事、他人の不幸と嘲笑っていた。
呑気に地方局の人間を立たせて四苦八苦しているレポートにニヤニヤしてるキャ
スター連中が、今回皆、それなりに真剣さがあったのは結局、手前ぇら身にふり
かかっただけなんだけど、でもたかが関東地方のニュースでしかないのに延々と、
こと国の一大事、大災害、と騒ぐのも醜いっか卑しいっか滑稽っ〜か…

 九州だからといって皆がホークス支持でもないのが小倉にいてよく解るが、
せめてそのくらいの節度すらも持ち合わせてはいないのを中華主義とするよりは
幼稚な自己中と言った方がいいような気がしないでもないなぁ… っと。
 だってさぁ、
確かに小雨がパラついていたけど、実に、実に静かな小倉の夜で、ただ関東の事
を語り続けるTVって、本当に滑稽だったんだもん。

 新潟とか福岡とか、今年は色々被害も出てるトコは一杯ある。
 いまだ、復旧作業中んトコだって一杯ある。
たかが冠水であって床上浸水でもなく、ただの雨風だけの自主避難で土砂災害の
可能性も含めた退避勧告でもなく、電車が止まったっても土砂崩れでもないし、
一端外に出れれば安全な都会で…

 まぁ雪とか雨とか、とかく大騒ぎしたがるけれど、自分の身に降りかからねば
他人事として笑っている、って事をしているメディアへの不信を自覚したのは
オウムと阪神淡路大震災の2つだったっけね。
 どちらも、関東のTV局の連中は、笑いながら『報道』していた。
 自分達がくらったのなら、絶対に笑わなかったであろうに、笑っていた。

 あの時、腹の底に沸いた怒りはいまだにある。
 友人知人も多くいるけれど、こと偏向しているメディアの伝えるニュースには
本当に興味が失せてきたなぁ… と、思いつつTVを消した。