「dvd日記」(『CABIN FEVER』編)

 去年の夏の終わり頃に公開されてそれなりのヒットとなった、ってのより
デ・パルマの筋でスプラッター、ってのに惹かれて購入した
<a href="http://www.amazon.com/exec/obidos/tg/detail/-/B0000ZG054/qid=1081214610/sr=1-1/ref=sr_1_1/102-4190830-0345728?v=glance&s=dvd">『CABIN FEVER』</a>(リージョン0でした)
 を、やっと通しでちゃんと観終えて
「まぁ、人にはオススメしないが、80年代にスプラッタ映画が好きだった
人には一見するのも悪くないなぁ」
 と甘い評価をしてしまう私。

 内容はあって無いようなもんで、ザッと書くと
「バカな若者達が得体の知れない細菌に感染して、さぁ大変」
 って一行で済むしこのテの映画、とってつけたような道徳的部分もあって
「狙ってる女との旅行は二人っきりにしとけ」
「バカは誘うな」
「友人を見捨てる自己中は死ね」
 その塩梅・匙加減も含めてかつてのスプラッタ映画へのオマージュ的かと。
まぁ、昔のそのテの映画と比べたら映像の綺麗さや音楽の使い方など比べ物
にならん程に巧いんだけど、単に小手先で真似するだけの最近のスクリーム系
と違って本気で楽しんで観客に嫌がらせをかける姿勢の方がずっと好きだな。

 ザッと観た時と同様、無駄な登場人物やシーンや台詞が多いのは難点だと
思うが予想以上にタルくないのは構図やカッティングや編集が纏まっている
からで、確かに原形であろう『死霊のはらわた』に負んぶしているとは
言ってもサム・ライミの場合本質的に【コミック】の人なのに対して今作の
Eli Roth監督の場合は【映画】の人だからかなぁ… と思わないでもない。
 
 兎に角、皮膚感覚的な悪寒を抱かせるシーンの嫌らしさはかつての映画の
オマージュだけではない独得の陰湿さがあって非常にキモチワルイ。生理的
と言うより皮膚的なコレ、男性より女性の方が嫌気がさしやすいのかもね。
そこが『味』と言えましょうかね … って、あくまでもスプラッタ映画
ファン的に、だけど。

 細菌感染って時点でハンセン氏病騒動の事もあるから日本での公開は難しい
でしょう。まぁ公開する程のモノとも思いませんが、個人的には満足の一歩半
前までいってた映画なんで全然オッケーです。
 ビッグバジェットの『DAWN OF THE DEAD』も気になりますが、こういうの
もやっぱり気になりますな、私は…