「雪の思い出」(日記)

 昨夜は用心して早めに寝たが、その割りに積もっていた雪は2cmも無い
が、粉雪の下がガチガチに凍結してるんで迷わず今朝はバス出勤にした。

 前の会社は、当時県内に十数店舗を持つ地元スーパー?で、私はそこで
配送のトラックに乗っていて、朝、岐阜の青果市場に乗りつけて積み込み
店舗へと… ってしてたけど、仕事だったから雪がどれだけ降ろうが配達
はしなきゃならなかったから走らせてただけで、とても嫌だったんよ。
 トラックの自重がある分、自家用車に比べればまだ滑りにくいんだけど
逆に止まりにくいっか止まらない。当然、事故を起こせば被害もデカイ。
一応冬はスタッドレスを履いていたが、スパイクを履こうがチェーンを
巻こうが多少の違いはあっても気休め程度でしかなく、それでも、そんな
気休めででも欲しいから雪の日はいつもより早く出勤し、氷まみれで手が
血だらけになってもチェーンを巻いていたが…
 ある雪の日。
とりわけその日は雪が多かったんだけど、トンネルを抜けた時に吃驚した。
下り坂のダラダラ続くカーブの道が真っ白ってよりも青白く輝いている。
おまけにその日は特売用って事で平常よりも大幅に荷物を積載していて。
ハンドルに伝わる振動と聞こえてきた音に路面が今まで経験した事の無い
積雪と凍結具合なのが解るけど引き返す訳にもいかず、アクセルとエン
ジンブレーキを併用して進んでゆくけど時折車がズッ、ズッ、って一瞬
だけど何度も滑り、それで更に用心したのに一番大きなカーブでケツが
もっていかれて。ソフトにカウンターを当てて事無きを得たけど、
「横転する!?」
 ってな恐怖もあり、対処し終えた後でこのままトラックを捨てて逃げ出し
たいのを堪えて進んでゆくと乗用車とバイクの事故があった。投げ出された
ライダーの姿勢が変な方向をしてて血と事故の破片が雪の上でキラキラと
輝いているのが気持ち悪いし
「こんな事故を自分もおこしていたかも… いや、いつか… 」
 って欝になるのから早く去りたいけどそうもいかず、ゆっくり、ゆっくり、
と通り過ぎ終えた時、ふっと
「あぁ、自分はトラック乗りには向かないんだな… 」
 って思ったのも転職の理由の1つ、なんだよね。

 それ以外にも雪道での運転で怖い思いは一杯してるんで、今はもぅバスを
利用してる。昔は「運転」が「仕事」だったけど、今はそうじゃないからね…