「『THE BIG ONE』評」(DVD雑記)

 確かに『レスリング・ウィズ・シャドウズ』という映画は
ブレッド・ハートを中心にしたドキュメンタリーだった。
レスリング・ビジネスの裏側を解りやすく示し、そして
あのダブルクロス… しかし私には
「カナダ人が見たあの当時のアメリカの記録」
 って見方も出来るんじゃないかな? と思っていた。
が、なにせヨソの国の話である。98年アメリカがどういう
状態だったのか、なんてよく解らない。漠然と日本が
バブルのハジケっぷりに沈んでゆく一方で経済が盛り
返していった頃なんだが、あのアメリカ人の凶暴さは
かの国の国民性なんだろうか? と、思っていたんだが、
今夜なにげに昨日買った『ボウリング・フォー・コロンバイン
のBOXのみでしか入手出来ない『THE BIG ONE』
を観て慄然とした。この作品は、『レスリング〜 』と同じ
年の作品だったのだが、そこに記録されていたのはアメリ
の好景気は強烈なリストラと海外での搾取の元での事で、
国内では大量の失業者が出ていた、というものだった。
 
 国に失業者が溢れ、社会福祉がどんどんないがしろに
されている時に、隣国の、しかも社会福祉制度の整った、
そして自分達の国より劣っている、と思っている国の連中
が自分の国を罵ったら…
 よくまぁ撃たれたりしなかったもんだよ、ブレッド…

 ってのはさておき。

 今より痩せてお肌もチョイとつやつやとしていても、この
作品でのM・ムーアはそのカットの速さやユーモア等、
既に確立されていたものだとよく解る。
 映画として、で言えば『ボウリング・フォー。コロンバイン』
の方が出来がいい、とは思うがこの作品も観れてホント
よかったと思ってます。

 ってコトで。
もし『ボウリング・フォー・コロンバイン』のDVDを買うつもり
の人がいるならば、絶対にこのBOXの方を買うべし!
ボウリング・フォー・コロンバイン』は単品で¥4700
 で
ボウリング・フォー・コロンバイン マイケル・ムーア アポなしBOX』
 は、この『THE BIG ONE』がついてたったの¥6000!
 たった千円ちょっと上積みするだけで、それ以上の価値
はありますから! この『THE BIG ONE』は現時点で
単品発売の予定が無いが、それはおかしいくらいに出来は
いいから、騙されたと思って買いなさい!