「思い入れのあるモノだけに。」

 
 ジョージ・A・ロメロの所謂「ゾンビ三部作」
NIGHT OF THE LIVING DEAD
DAWN OF THE DEAD (邦題「ゾンビ」)』
『DAY OF THE DEAD (邦題「死霊のえじき」)』
 ってのは、基本的にホラー映画というジャンルを借りた
世情批判映画なので私は好きなんですが、権利関係の問題
から、あまりちゃんとした形でのソフトのリリースがなさ
れておらず(監督の資金難がその原因なんだけど)これ迄
ソフトの購入は控えていたが、先日買った『DAWN 〜』
のディレクターズ版があまりに良かったので勢いで一作目
の『NIGHT OF THE LIVING DEAD』の「最終版」って
のを注文し、今朝届いたのだが…
「う〜ん… 」
 と、ちょっと考えてしまった。
 
 この「最終版」。
68年オリジナル版『NIGHT OF THE LIVING DEAD
を映像・音声共デジタルリマスターした「1998年版」
と、当時時間や資金不足から未撮影に終わった部分を新撮
再編集した「30周年記念版」の2つがカップリングされ
てはいるのだが、正直言ってどちらの映像もなぁんかピン
と来ない、っか入り込めない。モノクロの荒いフイルムの
質感だったからこそのリアリティが、なまじデジタル加工
を受けたせいで綺麗になりすぎている。鮮明すぎてアラが
気になってしまう、ってのはなんか悲しい(涙)。
 それと、OPとEDのクレジットがオリジナルのモノ
ではなく、安いビデオフォントのせいもあってなぁんか…
 
 『サスペリア』の時はDVD化の時に手を加えていなさ
すぎてガッカリしたものだが、しすぎるってのもかえって
逆効果になってしまうものだったとわ。
 キューブリックのように故人となってしまったが故に、
彼の娘が画面サイズやシーンのカットなど改惨しまくり…
ってなコトになっていないだけまだマシかもしれんけど。
 だけど、別の監督がリメイクしたモノやオリジナルの
コンピューター着色によるカラー版のような違和感、って
いうのは残ってしまうなぁ… っと。