『Warner Directors Series - Stanley Kubrick』メモ。

 
 ザッと特典とかのデータもまとめ終わったんでとりあえずのメモ。
来月発売予定の日本版『【初回限定生産】スタンリー・キューブリック コレクション(10枚組み) [DVD]』(【ワーナーの商品情報】)の購入を御検討なされている方の幾許かの参考になれば幸い、であります。
 
 以下はDVDの中身についての情報なので興味のある方だけ
 

 
・『Warner Directors Series - Stanley Kubrick』 - Region 1
 
 Studio: Warner Home Video
 DVD Release Date: October 23, 2007
 
 Number of discs: 10

 

  • 紙製の箱にDVDが詰められている簡易なボックスセット。
    • また箱の紙が薄くてペラペラなのが泣ける(苦笑)。
  • DVD以外には同社がリリースしている他のボックスセットの広告だけでリーフ等の封入物や印刷物は無し。
  • ジャケはWBのHPやAmazon.comのではなく日本版に掲載されている方が正しい。
    • と言うか、単品発売版とはわざわざジャケを変更しているってのが丁寧ですよね。どこぞのメーカーみたく単品もボックスも同じのを収録してるトコも少なくないですしね…
  • ジャケ裏、DVDデータに関する記載があまり無いのはどうかと… っか、せめてRuntimeくらいは書いてもええんやないのん?
  • 映像特典に字幕無し。
  • 更に特典映像は『A Clockwork Orange』の『O Lucky Malcolm! (1:26:05)』以外チャプター無しって…
  • 各タイトルのメニュー画面はちゃんと新規のもの。
    • チャプター数は若干増えてシーンの頭出しは簡易になった気もします。

 

 
『2001 - A Space Odyssey (『2001年宇宙の旅』(1968))』
 
 Theatrical Release Date: April 6, 1968
 DVD Release Date: October 23, 2007
 Run Time: 149 minutes
 
 Aspect Ratio: Widescreen - 2.20:1
 Available Audio Tracks:
  English, French - Dolby Digital 5.1
 Available Subtitles: English, French Spanish
 
 Number of discs: 2
 
 Bonus Features:
 Disc 1:
 * Audio Commentary by Keir Dullea and Gary Lockwood
 * Theatrical trailer (1:51)
 
 Disc 2:
 * 2001: The Making of a Myth (43:05)
 * Standing on the Shoulders of Kubrick: The Legacy of 2001 (21:24)
 * Vision of a Future Passed: The Prophecy of 2001 (21:30)
 * 2001: A Space Odyssey - A Look Behind the Future (23:10)
 * What is out There ? (20:41)
 * 2001: FX and Early Conceptual Artwork (9:32)
 * Look: Stanley Kubrick! (3:15)
 * Audio-only interview with Stanley Kubrick (11/27/1966)(1:16:26)

 

  • 音声解説はKeir Dullea(ボーマン船長)とGary Lockwood(フランク)によるもの。新録っぽい?
  • Channel 4製作のドキュメンタリー『2001: The Making of a Myth』等、あまり当時の資料が無い中で当時の撮影風景等をメインにした『2001: A Space Odyssey - A Look Behind the Future』は他の評価賞賛だけのドキュメンタリーと毛色が違って面白かったですわ。
  • 『Audio-only interview』は本当にただ音声が再生されるだけなんで貴重な資料なのかもしれませんがチャプターも無い事もあって勘弁して欲しいブツですわ…

 

 
『A Clockwork Orange (『時計じかけのオレンジ』(1972))』
 
 Theatrical Release Date: January 13, 1972
 DVD Release Date: October 23, 2007
 Run Time: 136 minutes
 
 Aspect Ratio: Widescreen - 1.66:1
 
 Available Audio Tracks:
  English, French - Dolby Digital 5.1
 Available Subtitles: English, French Spanish
 
 Number of discs: 2
 
 Special Features:
 Disc One:
 * Commentary by Malcolm McDowell and historian Nick Redman
 * Theatrical trailer (1:00)
 
 Disc Two:
 * Still Tickin’: The Return of Clockwork Orange (43:37)
 * Great Bolshy Yarblockos! : Making A Clockwork Orange (28:15)
 * O Lucky Malcolm! (1:26:05)

 

  • Channel 4製作のドキュメンタリ『The Return of Clockwork Orange』『Great Bolshy Yarblockos! : Making A Clockwork Orange』は被る部分も多いし当時の関係者等よりも評論家等の解説がメインっぽくあまり価値は無さげ。ただ撮影当時と同じ場所があんまり変わってないのは見所、かな?
  • 『O Lucky Malcolm!』はアレックス役の彼氏の半生を綴る長編ドキュメンタリー。ただR指定のソフトなのにピー音でF-WORDを消すのはいただけない。

 

 
『The Shining (『シャイニング』(1980))』
 Theatrical Release Date: May 23, 1980
 DVD Release Date: October 23, 2007
 Run Time: 143 minutes
 
 Aspect Ratio: Widescreen - 1.66:1
 Available Audio Tracks:
  English, French, Spanish - Dolby Digital 5.1
 Available Subtitles: English, French Spanish
 
 Number of discs: 2
 
 Special Features:
 Disc One:
 * Audio commentary by Garrett Brown and John Baxter
 * Theartical Trailer (1:34)
 
 Disc 2:
 * View from the over look: Crafting the Shining (30:20)
 * The Visions of Stanley Kubrick (17:15)
 * "Making of the Shining" (34:58)
 * Wendy Carlos, Composer (7:30)

 

  • 『The Shining』はこれまでリリースされていたコンチネンタル・バージョンではなくUSA通常劇場公開版の143mins!
  • 何故にこれだけジャケが単品販売版と一緒なんだろう?
  • 音声解説はステディカム担当のGarrett Brownとキューブリックの伝記を書いた作家のJohn Baxter。
  • 『Making of the Shining』は旧版にも収録されていたものと同じ。

 

 
『Full Metal Jacket (『フルメタル・ジャケット』(1987))』
 
 Theatrical Release Date: June 26, 1987
 DVD Release Date: October 23, 2007
 Run Time: 116 minutes
 
 Aspect Ratio: Widescreen - 1: 2.35
 Available Audio Tracks:
  English, French, Spanish - Dolby Digital 5.1
 Available Subtitles: English, French Spanish
 
 Number of Discs: 1
 
 Special Features:
 ・Commentary by Adam Baldwin, Vincent D’Onofrio, R. Lee Ermey and Jay Cocks
 ・Full Metal Jacket: Between Good and Evil (30:47)
 ・Theatrical trailer (1:28)

 

  • 音声解説はAdam Baldwin(Animal Mother)、Vincent D’Onofrio(Leonard 'Private Pyle' Pratt)、R. Lee Ermey(Gny. Sgt. Hartman)と何やかんややってらっしゃる脚本家のJay Cocks、って何でMatthew Modine(Pvt. Joker)がいないんだろうか? 非常に訥々としたもので聴いていてあんまり楽しくなさげ…
  • 『Full Metal Jacket: Between Good and Evil』はメイキングではなくドキュメンタリー。音声解説よりは視覚的ではあるが関係者よりも評論家等のコメントが多目。

 

 
『Eyes Wide Shut (『アイズ ワイド シャット』(1999))』
 
 Theatrical Release Date: July 16, 1999
 DVD Release Date: October 23, 2007
 Run Time: 159 minutes
 
 Aspect Ratio: Widescreen - 1: 2.35
 Available Audio Tracks:
  English, French - Dolby Digital 5.1
 Available Subtitles: English, French Spanish
 
 Special Features (Disc 2):
 * "THE LAST MOVIE: STANLEY KUBRICK AND EYES WIDE SHUT" (3)
  ・The Haven / Mission Control (13:58)
  ・Artiffical Intelligence of The Writer as Robot (13:24)
  ・EWS, A Film by Stanly Kubrick (15:44)
 * LOST KUBRICK: THE UNFINISHED FILMS OF STANLEY KUBRICK (20:18)
 * DGA D.W. Griffith Award Acceptance Speech, 1988 (4:03))
 * Interviews Gallery (3)
  ・Tom Cruise (8:43)
  ・Nicole Kidman (July 12, 1999)(18:23)
  ・Steven Spielberg (Juli 12, 1999)(8:07)
 * Theatrical Trailer (Juil 22, 1999)(1:10)
 * TV Spots (2)

 

  • 本編に特典無し。旧版と同じ特典『Interviews Gallery』『Theatrical Trailer』『TV Spots』を収録出来なかったワケではないと思うのだが… 正直言って無駄な分割だったような気も。
  • 特典も使い回しが多く新味に欠ける印象。

 

 
『Stanley Kubrick: A Life in Pictures (2001)』
 
 DVD Release Date: October 23, 2007
 Run Time: 142 minutes
 
 Aspect Ratio: Widescreen - 1.66:1
 Available Audio Tracks:
  English - Dolby Digital 5.1, Stereo Surround
 Available Subtitles:
 English, French Spanish, Portugues
 
 Number of Discs: 1
 
 Special Features: Cast & Crew (text)

 

  • よくまとまっている伝記だとは思うんですが、ボックス通しの最後って事で観ると素材が他のDVD特典に流用されているものも少なくなく、「じゃぁ結局今回の特典の殆どってコレとコレの没分との使い回し?」って思ってしまうんですけども…

 
【ザッと観たリマスタリングの印象】 

  • 製作年代が古い順にリマスタリングの恩恵が大な印象。
    • 『Full Metal Jacket』『Eyes Wide Shut』に関しては確かに色合いが良くなった気はするが… 「おぉ!」って感動する程ではなかったかな?っと。
  • オリジナルからの画面比率の変更*1の方が気になるくらい。

【『The Shining』での比較。】
 
WBロゴ。
(上が今までの日本版DVDの画面。下が新版DVDの画面) 
WBロゴ。
 
 
「一緒に遊びましょ」
(上が今までの日本版DVDの画面。下が新版DVDの画面) 
「一緒に遊びましょ」

    • 画面比率の変更は思っていたよりはマシな気がしなくもないが観て受ける印象はやはり違うもんだなぁ…とは思います。正直言ってオリジナルを尊重すべきで現在の家電規格に倣って上下をカットするってのは好きではないんですが、本版の場合は画質がいいだけに何とも微妙なトコかとは思いますなぁ… 
    • PC向けに縮小*2するとあんまり差が無いように思われるかもしれませんが、ある程度の大きさの画面になるとシャープさや色合いの綺麗さがかなり違いますわ。何と言いますか… 生々しいんですよね。
  • 『The Shining』はこれまでリリースされていたコンチネンタル・バージョンではなくUSA通常劇場公開版の143mins!
    • USA通常劇場公開版は本作が初めてDVD化された時だけのものですぐ廃盤、後はずっとコンチネンタル・バージョンでしたな… あれはあれで嫌いじゃぁないんですが、今回の版のようにホテルへ行く前のダニーのシーン等エピソードが増えて現実の情況や人物に厚みが出た分、より怪異な雰囲気が増えているのも好ましく思えますわ…
  • 音質の方も若干クリアー&低音が厚めになった??

 
 …って事でファンの人にとっては微妙な出来かと思います。
確かに画質・音質は良くなったものの、しかしオリジナルからの画面変更というのは気になる所ですし特典も正直言って『2001: A Space Odyssey - A Look Behind the Future』と『O Lucky Malcolm!』以外は正直言ってピンとこなかった物が少なくないような… ただ、これまでキューブリックの作品を持ってなかった人にはこのボックスセットはそれなりに手軽な品ではないかと思います。日本では単品発売の予定は無いそうですし… っても、海外ではこのボックスと同時にこれと全く同じ特典を収録したHD-DVD版とBlu-ray版が単品でリリースされていますから将来的にはどうなるのかは解らないんで、そこらをよぉぉぉくお考えの上での購入でいいんではないんでしょうかね?
 個人的には折角の高画質版って事なんですからあんまり意味の無い賞賛だらけの映像特典よりも本編をオリジナル音声と画面比率にした版も収録した上でのワイドスクリーン版で、『KILLER'S KISS (『非情の罠』(1955))』『THE KILLING (『現金に体を張れ』(1956))』『PATHS OF GLORY (『突撃』(1957))』『SPARTACUS (『スパルタカス』(1960))』『LOLITA (『ロリータ』(1961))』『DR. STRANGELOVE: OR HOW I LEARNED TO STOP WORRYING AND LOVE THE BOMB (『博士の異常な愛情/または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか』(1964))』そして『BARRY LYNDON (『バリー・リンドン』(1975))』も権利をまとめて修復して収録したスタンリー・キューブリック映像大全みたいなのが欲しいんですけどね… そりゃまぁコケた映画もありますけどね、今回のように次世代DVD版に絡めてのリマスターってのになるとまた何年先になるか解らんのですが、そうやってまとめ伝える事も文化だと思うんですけど、ね。
 

*1:オリジナル画面が4:3スタンダードサイズな作品も全部まとめて16:9 LB・ビスタサイズスクイーズ化。

*2:それぞれBMPで保存したスクリーンショットを旧版は87%、新版は74%に縮小しプログレッシブJPEGで画質100%で保存したものです。