「雑記」

 
 米作家のカート・ボネガット氏が死去
 http://www.asahi.com/international/update/0412/TKY200704120173.html
 
 というのもあって『プレイヤーピアノ』を再読してました。
カート自身の自己評価では「B」だそうだが、彼がA+と自己評価をしていた
スローターハウス5』『猫のゆりかご』は確かに小説としての出来がいい
かもしれないけれど個人的にはあまり好きになれず… 相対化によるパロディ
の80年代が思春期の人間ですしね… 結局手元に残してあるのは処女作の
『プレイヤーピアノ』と『ローズウォーターさん、あなたに神のお恵みを』
で、『ジェイルバード』は悩んだんだけど処分をした、ってのなんであまり
感慨というものは無いのだが、多分ハードボイルド以外で数少ないアメリ
ならではの作家がこうしてまた鬼籍に入られたのは寂しくもある。
 
 何て言うんですかね。
 
 911以降のアメリカや反ブッシュの為だけの物語やらには倦んでるんですよ
な、私は。だからこそ有難がってる人もいるけど、現在の兆候は別にある日
突然なったものではなく、それこそ10年くらい前から露骨になりだしてき
てそれが嫌で読むのを止めた作家が一杯いるんだけど、そうではない作品を
書いてくれそうな作家ったら自分が知る中ではカートくらいしかいなかった
んですよね。パラニュークはどうも遅れて来たヒッピーって印象がどうにも
拭えないし。だから97年の『タイムクエイク』から10年目、そろそろハリ
ウッドでも911後の日常が題材にされる映画もチラホラと出てきている昨今
だからこそ、って勝手に思ってたんですけどね… 殆ど、捨ててるのに。
 
 
 
 この雨でもぅ残っていた桜も、ほぼ散るであろう。
 
 私はあと何度桜を見られるのか… そして何事を成せるのか。