『THE 有頂天ホテル スペシャル・エディション』のDVD特典レビュー。

 

THE 有頂天ホテル スペシャル・エディション [DVD]

THE 有頂天ホテル スペシャル・エディション [DVD]

 
 本編の感想としては以前に書いたので割愛。
今回はこのDVDについてと特典についてのレビュー、なので購入を検討しているなり興味のある方だけ
 
 まず豪華な特装本のような厚い紙製のアウターケース、手触りも重みもありまして手に取る楽しさがあるかと。開いた部分が小窓になる仕様は面白い試みですが、それならば開ける小窓の数は23個にしておくべきだったのではないかな? って気はしますが。
 個人的にはこれまでの三谷作品『ラヂオの時間 [DVD]』『みんなのいえ [DVD]』を旧版のジュエスケース仕様で持っているんで、今回トールケースサイズになってるのは収納の際に監督別に並べられないのでちょっと嫌でしたな。
 あと、三谷氏からのメッセージしおり同封はいいんですが、ケースを開いた時に展開されるスチルはロビーにして欲しかったかな… 『アメリ [DVD]』や『ファイト・クラブ プレミアム・エディション〈特別限定版〉 [DVD]』といった似た仕様のケースと比べると、ちょっと寂しい気がしました。
 

 
・MAIN DISC分DVD特典

  • コメンタリー(三谷幸喜 VS. 高島彩
  • BONUS
    • 特報 (0:32)
    • 予告編 (1:56)
    • マナー特報 (0:38)
    • テレビCM集 (1:52)
    • 晦日CM (2:04)

 

「コメンタリー」は出来が悪いです。
前作までの八木亜希子さんと比べると高島彩さん、話の受けや引き出しが出来ないだけでなく三谷氏の話の腰を折ってしまう事が何度もあり、三谷氏が凄く話し難そうで楽しめません。色々な事情があるからこの人選は仕方ない部分もあるとは思うのですが… これだけ出来の悪いコメンタリーはちょっと例が無いかと。
「BONUS」は普通ですか。唯一、昨年末のPRIDE男祭りで放送された「大晦日CM」が連作になっていて面白いですけども。
 

 
・SPECAIL DISC

  • メイキング (3)
  • イベント (8)
    • 完成披露記者会見 (7:01)
    • インタビュー集 (役所浩司、松たか子佐藤浩市篠原涼子)
    • 完成披露舞台挨拶 (6:05)
    • 晦日カウントダウン (2:46)
    • 成人の日 (7:12)
    • 日舞台挨拶 (9:30)
    • 大ヒット御礼1月 (6:46)
    • 大ヒット御礼3月 (4:11)
  • 未公開シーン (19)
    • 未公開シーン (18)
    • 私の苦悩
  • 製作四十周年記念特別インタビュー (19:51)
  • 老け顔講座 (4:18)
  • HOTEL AVANTI (3)
  • キャスト (23)
  • ギャラリー (2)
    • フォトギャラリー (57)
    • 映画評 (3)
  • スタッフ
    • オールスタッフ
    • メインスタッフ プロフィール
    • DVDスタッフリスト

 

「メイキング」はどれももぅ少し、あと5分の尺が欲しかった。ロケ地やセットの材料の調達、ダブダブ、スケジューリング等の苦労やらがもう少し、観たかった。
「イベント」は何故に製作発表記者会見をここに収録されていないのか? また「インタビュー集」がたった4人だけな上に役所浩司(1:52)、松たか子(1:52)、佐藤浩市(1:36)、篠原涼子(1:39)っと短いので面白味無し。せめて3分、あと香取慎吾氏、オダギリジョー氏、そして伊東四郎氏くらいは収録したって良かろうに…
「未公開シーン」は通常再生と三谷幸喜監督による音声解説付きでの再生が選択できるのは良し。ただ「私の苦悩」は全くの蛇足。「赤い洗面器」でしたっけ? あと麒麟の怪談掴みとかと同じであえて見せないままでいた方が良かった… 想像してた通りとは言え、いざ実際の画像になると矢張り陳腐過ぎてかなり興醒めしてしまいましたな…
「製作四十周年記念特別インタビュー」はネタとしてもイマイチ。こんな企画よりもちゃんとしたインタビュワーなりを据えてのモノにした方が良かった筈では。
「老け顔講座」もねぇ… 特殊メイクの過程とかの紹介なんですが、確かに本編でも使われた技術ではありますが、それならばメイキングにキチンとした形で収録しておいてくれた方が良かったのでは?
HOTEL AVANTI」はヤッツケっか数合わせ。「ヒストリー」はパンフレットにもあったものだけど、それなら歴史まで収録しておいて欲しかった。「ロケ地紹介」にしても場所の地名とホテル名前だけでなくそのロケしたホテルの外観やらデータ的にもっと収録しておいても良かったモノはあった筈だし、画面左上で再生される本編が汚いんじゃぁなぁ…
「キャスト」もヤッツケっか数合わせ。ただの23人分のプロフィールだけの静止画コンテンツでは、その役者さんの人となりや役柄の設定等を観たに監督が音声解説をしてくれた『みんなのいえ』と比べると見劣りします。せめてこのDVD版発売によせてのコメントくらいとっておいても良かったんじゃぁないんですか? っと愚痴も言いたくなります。
「ギャラリー」も ヤッツケっか数合わせ。「フォトギャラリー」は撮影中とオフショットは別カテゴリーにするべきではなかったのかと。「映画評」は初出が無いし多分、完全版でもないし… わざわざ収録する必然性が感じられません。
「スタッフ」は… 微妙。「オールスタッフ」はEDにスタッフロールがあるのに何故ここに収録しなければならなかったのか。「メインスタッフ プロフィール」もただの静止画コンテンツですし、旧版だとここに隠しトラックがあって三谷氏からのメッセージがあったものですが今回はそれも無し、では… まぁ最新データ収録に意義があるのやもしれませんがネットの時代に果たしてその為だけのコンテンツを収録するのはどうか? っとなると微妙かと。
 
 …っと、非常に残念な出来でありました。
これならわざわざ2枚組みにしなくても収録出来たんじゃぁないの? ってくらいに短い、食い足りないコンテンツばかりでこの特典を観ての発見とかってのはほぼありません。特に劇場で観てパンフレットを購入した私からしますと非常に食い足りませなんだ。無駄に数と量が多いのも困りますし、某オヤジ向けブルセラ映画のようにワケわかんねぇ色々な版の乱発も願い下げですが、やはりわざわざ2枚組みでリリースする以上は特典ディスクにも凝ってもらいたいんですよ… 勿論、海外作品の特典ディスクだってやっつけ仕様は珍しくはないんですがしかし、本作を購入しようと思う人に対して、こんな内容&収録時間では一体どれだけのセールス・アピールになると言うのやら。ぶっちゃけ、確かに酷い出来ではありますが本編の音声解説以上のモノがこのSPECIAL DISCにあるのか? ったら、殆どありませんからねぇ… って事で、私としましては購入なされるのならば、この版の値崩れ待ちよりもスタンダード・エディション版の方がスリムですし何せ安いのでオススメしますよ。この版との差額なんてケース代が殆ど、って言ってもいいんじゃぁないんでしょうかね。