『恋は邪魔者 (DOWM WITH LOVE (2003)』

 
 なんとなく気にはなっていてそのウチに観ようと思いつつもなんとなく観ない作品、ってのが私にはいくつかあるんですが、この

恋は邪魔者〈特別編〉 [DVD]

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 もそんな作品の1つで、WOWOWのHOLLYWOOD EXPRESSで観た時から画面の凝りよう… デザインだけでなく、あえて昔の映画のように見えるように構成、構築されたセットとか… が気になっていたんですが、なんとなく今まで観ておりませんでしたが、これがまぁ本当に無駄の無い楽しい作品で驚いたのなんの。
 特に音楽と台詞の使い方が実に巧くて、シャレっか言葉遊びになってる部分が解ると楽しさは倍増です。そりゃまぁあえて1962年という時代設定にしなきゃならなかった意味っか意図に関しては希薄ではありましたが、物語を現代でやっちゃぁ無理がありまくりになっちゃうくらいにベトナム戦争が泥沼になる前だからこそ… っと思った私には全然オッケーです。
 
 ただ日本語字幕、吹替え翻訳共に難アリで、字幕の方がややマシなんですが言葉遊びの部分が全然拾えてないのと、ニュアンスやアクセントを意識させないってのはこの映画の場合はあきませんでしょう。それと、一番の問題はこの映画で重要なOPやEDナンバーだけでなく、劇中の歌詞を一切表示しない事。実は曲の使い方が凄く巧いし歌詞と場面の合わせ方で笑わせる部分もあるってのにそれが字幕でも吹替えでも解らない仕様ってのは凄く残念。これは『奥様は魔女 (Bewitch (2005))』『スーパーサイズ・ミー』等でも言えるんですが、そうそうアメリカのスタンダードナンバーが日本人に馴染みがあるワケではないのにこういうのはちょっと勿体無いよなぁ… 確かに邦画で歌を巧く使った映画はそうそうありませんし、歌詞を使った演出ってのもあんまり見かけませんがそうじゃぁない映画は世界に一杯あるワケで、もうちょっとそこらは気をつけて欲しいなぁ… っと。
 解ればもっと楽しくなる作品なのに惜しいよなぁ… ぶっちゃけ『ブリジット・ジョーンズの日記』よりキュートで自己実現的なレニー・ゼルウィガー、『ムーラン・ルージュ』よりイカして可愛いユアン・マクレガー、あと個人的にグレアム・チャップマンを思い出してしゃぁなかったデヴィッド・ハイド・ピアースの演技といい、『チアーズ! (Bring It On! (2000))』の監督は本当に役者を巧く配置してノセて、カラッと洒落た楽しい作品に仕立ててくれたと私は素直に喜べたんですけどね… って事でUS版か日本版かどちらかDVDを購入予定に決定! サックリとしたコメディが好きな人にはオススメ、ですよ〜