「Gosh! You are idiot!」

 
 以前、『The Pacifier (2005)』を『キャプテン・ウルフ』ってな邦題にするのもどうなのよ? って記事を書いたが…

 電車男の次は→バス男 米オタク映画、日本に
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050927-00000028-san-int

 
 長谷川町蔵氏の「2005-05-15 邦題あれこれ」で読んだ時に本気でガッカリしたものだが… まさか、そんな、っと思っていたのは何故かと言えば、今年観た映画の中で、現時点で一番好感を持っている作品こそ『Napoleon Dynamite(2004)』だと思っているもんで… って私にこのニュースで、本当に「バス男」って邦題でリリースされるなんて… っと怒っていいのか悲しんでいいのか解らなくなりました。
 まぁ
『ナポレオン君 大爆発!』
『ダイナマイトなナポレオン』
 って邦題になっても困るんですが*1
 
 ナポレオン君はオタクではなくNerdGeek… 日本で言えばキモ男? ダサイ人? ってくらいで特に何のオタクでもありませんし、彼がバスに乗るシーンは劇中2回だけです。
 彼の兄さんのキップ(Kip)は一日中PCに向かってチャットしているんでオタク扱いをされるのもまぁ仕方無いかもしれませんし、劇中に長距離バスに乗ってソウルメイトのラフォンダ(LaFawnduh)がやって来てオシャレさんになって… ってサブエピソードがありますが、あくまでサブであってメインじゃぁねぇし…
 なのに、

 邦題について同社は「冒頭、主人公がスクールバスに乗り込むシーンがあって、『日本が電車男なら、こちらはバス男で』ということになりました」と話している。

 いやそれ詐欺だろ。
 
 あぁ、この担当者は映画が好きじゃないんだろうなぁ…
いや、仮に映画は好きであってもこの作品は好きじゃないんだろうし、ひょっとすると観ていないかもしれんもんなぁ…
 
 こんなジャケとか説明文にしてるし。
 
 そのうえ、

「米国での人気を知った映画ファンから問い合わせが相次いでいる」

 ってのでのリリースなのに

来年初めから発売も始めるという。

 って、レンタルが先かよ!
 ワケわかんねぇよ、やってる事が…
 
 大体さぁ…
電車男がネットでのコミュニケーション能力と2ちゃんねらーの協力でリアルを改革していく個人の恋愛物語なのに対し、ナポレオン君は誰の協力も助言も受けない、『下妻物語』のイチゴの台詞を借りれば
「コイツは一人で、たった一人で立ってるんだよ!」
 って彼氏の、あまり考えない右往左往(笑)で変わる人もいるし、彼氏の行動やらとは何の関係も無いところで変わってゆく人もいるがナポレオン君本人は結局何も変わらない、って群像モノ? って内容なんですよ。
 万が一、電車男の物語の構造や展開が好きでコレを借りた人がいたら怒るよ。あれとは本当に逆の、反対なんですから。
「例え騙す事になってもまず、この映画を多くの人に観てもらいたい」
 と思っての事だとしても、それは驕り、思い上がりでしかないよ…
 
 って事で、
「Gosh! You are idiot!」
 あぁまた映画が汚されてゆく…
 
(『Napoleon Dynamite』についての私の感想は「コチラ」にて。すごく長いし散漫な素人感想文なんでお時間とお気持ちに余裕にある方だけ御覧になっていただければ、幸いでございます)
 

*1:タイトルのNapoleon Dynamiteは主人公の名前、という以外の意味やミーニングはありません