『チャーリーとチョコレート工場』

 
 最終の回で21時10分から、ってなのに満員の劇場ってのは我々夫婦の映画鑑賞では久々だったかも。『Ray』ん時なんて… 10人くらいだったものだが… うぅ…
 
 ってのはさておき、ロアルド・ダールの原作が好きでティム・バートン監督作品も好きな私からすると、観るまでは若干の不安はあったもののこれがもぅねぇ… お話はほぼダールの原作に忠実でビジュアルも基本的にはその通りなんだけど、このテンポとお話のビターさ加減、その映像はまさにティムならではのもの、という実に素敵な作品で、
「1粒で2度美味しい」
 ってキャッチコピー(←トシが出るなぁ(苦笑))を思い出すくらいに最後まで堪能してきましたよ。CG合成ではなくセットが基本って事で2001年の悪夢、っかブラックな冗談作品『猿の惑星 ― Planet Of The Apes』の時の事を思い出したりしましたが、今回は工場内部は幅と高さを出す事によって空間の大きさが出ていましたし、工場の外も必要部分以外は巧く処理してたので非常に安心して観てられました。
 また、ティム組と言ってもいいくらいに長年のコンビの作曲家ダニー・エルフマンのスコアは工場内のビジュアルに負けない程のバラエティに富みつつもシッカリとしたものばかりで、いやぁもぅファンとしては堪らんですよ!
 それでいてバートン作品には珍しい解りやすいパロディも多くて、私はテレビ室のデザインやカラーリングがまんまキューブリックで笑わされたら『2001年宇宙の旅』のテーマ曲がバン!っと来て駄目押しかと思ったらTVの画面に猿とモノリスって三段には… あえて猿か! ってのも入れると四段?(笑)… ってのがもぅおかしくておかしくてねぇ… いやまぁ他にも色々書きたいんですが箇条書きにしかならないんで、
 
「バートン作品好きなら観よう!」
 
 って事で。
 以下は余談なので御時間のある方だけ
 
・実はコレが公開されるまでジーン・ワイルダーによる『夢のチョコレート工場』という映像作品があるのを知らなかったので、そちらとの比較は出来ませんが、ネットで調べてみるにそちらにも根強いファンがいるようなのでそのうちにチェックしてその違いを確認してみたいと思ってはおりますが…
 
 でもコレのUS版DVDを先に買うんだろうなぁ(笑)
 って言うかサントラも買おうかなぁ…
 
・劇場に外国の方も来ていたんですが、ビジュアルではなく台詞でドッカンドッカンとウケていたんですが、私のヒアリング能力ではもうひとつ、面白さが理解出来ませんでした。残念っす。
 字幕訳がちょっと乱暴で、ストーリーの紹介と説明をするのにはワリと適切なカットをしているのはいいとしても、それ以外のニュアンスや韻を踏んでの語呂合わせの部分もザックリとカットしてるのも、英語圏の人間でないと解らないからって配慮なんでしょうけども… まぁ昔のSNLとかの海外ドラマでそういうネタを無理に流行ギャグやCMネタに置き換えるような事をされたワケではないんでまだマシとは言えますが… って事で途中から字幕を読まないようにしてましたが、やはり私の能力では無理でしたわ。まぁ仕方ないんですけどね…
 
 ウォンカが気取って喋る台詞が時代遅れの言い回しだ、ってのくらいは解るんですけどね…
 
 まぁ瀧ノ島ルナという字幕翻訳の方、まだこれからのお方の様ですが(記事)、全体としては悪くないし気にならなかったって点では既に戸田奈津子よりマシですから期待してます。
 
・で、上記ともダブるんですが、
「もしこれがワーナー・ブラザース作品ではなくディズニーだったらどうだったんだろう?」
 って思うんですよね。
色々と批判の多い会社ではありますがしかし、ディズニー作品の言葉の解りやすさ、聴き取りやすさってのは本当に凄いと思うんですよ。いや、この『チャーリーとチョコレート工場』だって皆、カツゼツはいいんですよ。音も台詞と極力被ってないし。
 でも… ってトコロでしょうか。
 
 来月公開予定の『コ−プス・ブライド』もワーナーなんで、若干の不安を感じなくもありません。何せ、『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス (1993)』が大好きな私ら夫婦ですが、あの作品もディズニー、でしたしねぇ…
 
 でも期待してますし行きますよ、『コープス・ブライド』も!