「WWE 雑感」

 
 アメリカから『THE ROCK - JUST BRING IT! -』の2枚組
版が届いた。この版、実は先に出た同じタイトルのDVD
にロック様のマイクアピール集を中心に収録した映像特典
ディスクをつけただけのモノなんだが、それでもやっぱり
喋りのうまさ、リズム感、そしてユーモアも含めて抜群に
面白い。…まぁ、「濃い」ので1時間半全部通しで観ると
グッタリもしましたが(笑)。
 しっかし…
通しで観ている時には気がつかなかったんだけど、1つの
マイクアピールに、後でえらく考えた。
 まぁ、内容はホンッと『お約束』なんだけど…
 
「いいか、ロック様は今夜脇役どもをブチのめしてホテル
に行く。そしてそのまま寝るのか? 違う! ロック様は
脇役共をぶちのめした後、街へ出るのだ! 街へ出て、
ダイナーに行き、そしてパイを食うんだッ!」
 
 と、ロック様的な『お約束』マイクで気がつかなかった
んだが、これが収録されたのが01・09・20… そう
9・11から1週間ちょっと、なのだ。
 まぁ、どこのメジャースポーツ、エンターテイメントの
団体に先駆けてわずか3日後の9・14に特別編とは言え
SMACK DOWNをライブ収録したWWEではあるが
国としての臨戦体制の中、
「これまでと同じ」「いつもと同じ」
 ってのが、どれだけ人々の心を救ったのか… と思うと
羨ましくもあり、たくましくも思う。平常に、日常に戻れ
とブッシュが言ったが、それ以上に、当たり前、お約束を
いつものようにしてみせるのは難しい筈なのだが、そんな
片鱗など微塵も感じさせず、御当地イジリで来場していた
ジェリー・ルイスの『火の玉ロック』の替え歌まで歌い、
観客を楽しませる… ホント、客席の顔が皆、楽しそう
なんだ… ってのをプロとして全うするロック様、という
存在があった事で、救われた気持ちになれた人ってのは
多かったんじゃぁないかなぁ… と。
 
 無論、アメリカでも
「この御時勢に不謹慎だ」
 という批判は少なからずあったらしい。
 しかし、
イラク問題などでも賛成や反対が自由に言える気概が、
なんのかんのと言ってもまだある、少なくとも日本より…
とか思うんだけどねぇ…
 
 そう、もし同じような事態が日本で起きたとき、
「これまでと同じ」「いつもと同じ」
 ってのを、ユーモアで与えてくれるモノが日本にあるの
だろうか?