『夜は短し歩けよ乙女』メモ。

 

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湯浅監督の最新作って事での家から1時間かけてモレラ岐阜まで出張っての鑑賞… と言うか、来週に上映が終わってしまうとこの地方での他の劇場での上映予定は無いんで、『マインドゲーム』をDVDで観た時の悔しさを噛みしめたくないのならば行くしかないではないか! そりゃ『夜明け告げるルーのうた』の方がイメージの奔流を体感出来るだろう事は想像してましたけどね、ポニョも込みでの人魚姫物語、子供主人公だとね… ってのである程度割り切っての心持でありましたが、まさにあの『四畳半神話大系』よ再び!であって、それ以上の、劇場作品ならではのダイナミズムやらは特に無く、『四畳半神話大系』好きにとっては満足ではあったものの、ではアニメ作品としては… ってトコだったでしょうか。
 
そう、本来1年の京都の四季を部隊にした作品を一晩の物語とまとめた所為で、見易く解り易く整理され過ぎていて、その物語の枠組みにイメージの展開もハマり過ぎてて予想が立つ分、意外性というか驚きが私には、ジョニーの大暴走以外はありませなんだ… と言うか、今回思ったんですが、これ迄私は湯浅監督をイメージ先行タイプだと思っていたんですが、存外その立脚点が常識的というか、かなり文字的に理屈で説明がつく演出なのかな?って印象を持ちました。
 
多分、原作が好きな人には不評だろうな、と思う事をあえてやっていて、それでも尚、あのデザイン的にほぼ記号に近い諸うっりゃくを経ても尚、夜の京都の街並みを描いてくれたのだから、もぅそれでいいかなぁ… なんてね。あと雑感として。

  • 藤原啓二さんが療養中な為に中井和哉氏が声をあてた樋口師匠は、あれはあれで素晴らしかった!
    • でも、やっぱり藤原さんでも観たかった、とは思うけれども、けれども。
  • 神谷浩史氏は本当に上手い!特にスタッフも出来上がってる作品の中にあって、ちゃんと存在感があるってのはなかなか出来る事じゃないですよ。
  • メインヒロインの黒髪の乙女を演じた花澤香菜も良かったですねぇ… 原作を読んでいた妻も「台詞とか独白とか、どうにも好きになれない」って言ってたくらいですが、それをそう感じさせないラインでまとめてみせたのは役者としての力量でしょう。
  • 賛否両論になるかと思うけど、パンツ総番長役の秋山竜次(ロバート)。妻は駄目だそうですが、私は一曲ちゃんと唄ってみせた点だけでオッケーでっす。
  • あと個人的に、最後に、そこは監督と脚本家の人との見解の相違なんですが、パンフレットに「四畳半の私と明石さんがいないパラレル世界」ってしたのはまぁ何というか、残念だったかなぁ… 四畳半のBlu-ray映像特典でちょっとダブらせてただけに、台詞は無くともどこかで彼らもいる事を、そう、青春の物語として二人にとっては特別であったも世界にとっては特別ではない恋の物語の1つとして、画面の隅にチラりとでもいたならば… と思いましたなぁ…